看護師に予防接種義務づけ?
スイスの看護師はこれまで、新型インフルエンザの予防接種にあまり積極的ではない。これに対して、連邦内務省保健局からは不満の声が聞かれる。
連邦内務省保健局 ( BAG/OFSP ) 伝染病対策部長のダニエル・コッホ氏は、11月27日朝のスイス国営ラジオドイツ語放送 ( DRS ) のインタビューで、「場合によっては義務化もやむをえない」と述べた。
来年に法改正
連邦保健局は現在、看護師に予防接種の大切さを認識させようと啓蒙運動に力を入れているところだ。
「看護師に呼びかけて、新型インフルの予防接種を受けるように勧めている。看護師には、今こそ予防接種を受けて患者に病気を伝染させないようにする義務がある」
とコッホ氏は強調する。このような呼びかけを行っても効果が現れないのであれば、新たに「パンデミック ( 世界的大流行 ) 」が発生した場合には、看護師に対する予防接種義務づけの検討も考えられるという。
スイス看護師協会 ( SBK/ASI ) も予防接種には賛成しているが、義務接種に対しては懐疑的だ。同協会で看護発展部門を率いるロズヴィタ・コッホ氏はDRSに対し、
「看護師に対して敬意を持って接するのが一番だと思う」
と語っている。
11月24日、スイス看護師協会は任意接種に賛成の意を表した。各人が、プロ意識と道徳的見地から自己責任で予防接種を受けるか受けないかを判断する。スイス看護師協会によると、直接的もしくは間接的な接種義務に対する法的根拠はまったくないということだ。 しかし、来年早々には流行病法の改正が予定されており、新たなパンデミックが発生した際の接種義務について議論が起こる可能性がある。
swissinfo.ch、外電
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