新型コロナウイルスの感染拡大を受け、イタリアと国境を接するスイス南部ティチーノ州は13日、全ての幼稚園、小中学校を休校とすると発表した。
このコンテンツが公開されたのは、
同州は11日、映画館、スキー場、ジム、ナイトクラブの営業停止、私立学校、高等学校などの休校を呼びかける緊急措置を発表。11日時点では幼稚園・小中校の義務教育機関は開校するとしたが、方針を転換した。
16日から実施する。17日以降、共働き家庭などで子供の世話ができない親のために、学校に保育サービスを設ける。重症化しやすい祖父母が子供の世話に呼ばれ、感染するのを防ぐための措置という。
連邦工科大学チューリヒ校、ローザンヌ校も講義を中止した。
連邦内務省保健局のダニエル・コッホ氏は「スイスの残りの州もいずれ同様の措置をとることになるだろう」と述べ、営業停止や休校が各州に広がる見通しを示唆した。
イタリア語圏の同州は毎日、イタリアから約6万8千人の労働者が国境を越えてやってくる。
世界保健機関(WHO)のテドロス事務局長は11日、ジュネーブで開かれた定例記者会見で、新型コロナウイルスの拡大を「パンデミックといえる」と述べた。
ティチーノ州の措置は3月29日までの予定。
州が発表した措置に伴う12の対策では、65歳以上の市民は小さな子供の世話をしないようにし、公共交通機関の利用は避けるよう呼びかける。レストランは客の数を50人未満にするよう求める。
スイス連邦政府は11日、イタリアへの国境検問所のうち、小規模の9カ所を閉鎖した。越境労働者のモニタリングを容易にするための措置だ。ただ政府は国境の全面封鎖はしない方針だ。
スイスインターナショナルエアラインズは、シュトゥットガルト、ニュルンブルク、ボルドーなど一部欧州便と、イタリア行き全便の運行を4月上旬まで見合わせる。
スイス連邦鉄道(SBB)はチューリヒ・ジュネーブ発の伊ベネト州行きの列車を運休。12日からは、チューリヒーミラノの直通列車をスイス国内のみの運行とする。
イタリアでは全土に移動制限が出ており、仕事や健康上の理由を除く外出、公共の集会が禁止されている。
※新型コロナウイルスのスイス国内の最新情報は以下の記事で更新しています
おすすめの記事
おすすめの記事
スイスのコロナ情報 マスク義務再開はなし
このコンテンツが公開されたのは、
スイスは4月1日、新型コロナウイルス感染症に対する全国的な感染対策を全て撤廃した。秋冬の感染再拡大が懸念される中、スイス公衆衛生当局はマスク義務の再開は必要ないとしている。
もっと読む スイスのコロナ情報 マスク義務再開はなし
おすすめの記事
世界で最も急勾配のロープウェイがスイスで開業
このコンテンツが公開されたのは、
スイス中部ベルナーオーバーラント地方のシュテッヘルベルクとミューレンの間に、世界一急勾配のケーブルカーが開業した。
もっと読む 世界で最も急勾配のロープウェイがスイスで開業
おすすめの記事
2025年のスイス連邦大統領はカリン・ケラー・ズッター氏
このコンテンツが公開されたのは、
スイス連邦議会は11日、カリン・ケラー・ズッター副大統領兼財務相(急進民主党、60歳)を新大統領に選出した。新副大統領にはギー・パルムラン経済・教育・研究相(国民党、65歳)が選ばれた。
もっと読む 2025年のスイス連邦大統領はカリン・ケラー・ズッター氏
おすすめの記事
医療費の高騰、依然としてスイス国民の最大の関心事 調査
このコンテンツが公開されたのは、
大手金融機関UBSが12日発表した調査「心配事バロメーター」によると、依然として医療費と健康保険料の高騰が最大の懸念事項だったことが分かった。環境と年金も懸念事項にあがっている。
もっと読む 医療費の高騰、依然としてスイス国民の最大の関心事 調査
おすすめの記事
スイス連邦工科大、留学生の授業料3倍引き上げ決定 25年秋学期から
このコンテンツが公開されたのは、
スイス連邦工科大学チューリヒ校(ETHZ)と同ローザンヌ校(EPFL)が、留学生の授業料をスイス人学生の3倍に引き上げ、2025年秋学期から1学期当たり2190フランにすることを決めた。
もっと読む スイス連邦工科大、留学生の授業料3倍引き上げ決定 25年秋学期から
おすすめの記事
世界最古の原子力発電所、2033年に稼働終了
このコンテンツが公開されたのは、
スイスの電力会社アクスポは5日、世界で最も古いベツナウ原子力発電所の稼働を2033年に終了すると発表した。33年までの運転継続にかかる追加事業費は3億5000万フラン(約600億円)を予定している。
もっと読む 世界最古の原子力発電所、2033年に稼働終了
おすすめの記事
スイスのドライバー、2割が飲酒運転
このコンテンツが公開されたのは、
欧州など39カ国のドライバーを対象にした調査で、スイスでは2割超が飲酒運転をしたことがあると回答した。
もっと読む スイスのドライバー、2割が飲酒運転
おすすめの記事
狩猟中の事故で男性死亡 スイス西部
このコンテンツが公開されたのは、
先月29日午後、スイス西部ヴォー州で64歳の男性が狩猟中に死亡した。イノシシを撃とうとした 猟友会のメンバーに射たれた。
もっと読む 狩猟中の事故で男性死亡 スイス西部
おすすめの記事
自殺カプセル「サルコ」運営団体代表が釈放 70日拘束
このコンテンツが公開されたのは、
今年9月にスイスで初めて使われた自殺カプセル「サルコ」について、連邦内閣は、当分の間、立法措置は必要ないとの見解を示した。サルコ運営団体は2日、身柄を拘束されていたフロリアン・ヴィレ代表が釈放されたと発表した。
もっと読む 自殺カプセル「サルコ」運営団体代表が釈放 70日拘束
おすすめの記事
スイス在住長者番付2024 トップはシャネルのオーナー
このコンテンツが公開されたのは、
スイスの金融誌ビランツがまとめた長者番付2024年版によると、スイス在住の富豪トップに輝いたのは、仏高級ブランド・シャネルのオーナー家族の1人、ジェラール・ヴェルテメール氏だった。上位の顔ぶれはほぼ前年と同じだが、香料メーカーのフィルメニッヒ(Firmenich)創業家が初のトップ10入りを果たした。
もっと読む スイス在住長者番付2024 トップはシャネルのオーナー
おすすめの記事
スイス、ポイ捨て「少ない」8割 アンケート調査
このコンテンツが公開されたのは、
スイス・ポイ捨て防止コンピテンスセンター(IGSU)の年次アンケート調査によると、「スイスでは多くのゴミが適切に処理されていない」と考える人は16%にとどまった。
もっと読む スイス、ポイ捨て「少ない」8割 アンケート調査
続きを読む
おすすめの記事
隔離措置を無視したらどうなる?新型コロナ
このコンテンツが公開されたのは、
電車の中でわざとほかの人の顔に向かって咳をする、隔離措置を守らず外出する、イタリアに住む人が移動制限を無視してスイス南部のティチーノ州に来る―。新型コロナウイルスの影響で日常生活に様々な規制がかかっているが、これを無視したら罰せられるのだろうか。
もっと読む 隔離措置を無視したらどうなる?新型コロナ
おすすめの記事
スイスのコロナ情報 マスク義務再開はなし
このコンテンツが公開されたのは、
スイスは4月1日、新型コロナウイルス感染症に対する全国的な感染対策を全て撤廃した。秋冬の感染再拡大が懸念される中、スイス公衆衛生当局はマスク義務の再開は必要ないとしている。
もっと読む スイスのコロナ情報 マスク義務再開はなし
おすすめの記事
スイス鉄道利用者数が減少 新型コロナで
このコンテンツが公開されたのは、
新型コロナウイルスの影響で、スイス国内の鉄道の利用者が減少し、売上に影響を及ぼしている。スイス連邦鉄道(SBB)が10日、発表した。
もっと読む スイス鉄道利用者数が減少 新型コロナで
おすすめの記事
「全ての国に新型ウイルス検出・アラートシステムの整備を」
このコンテンツが公開されたのは、
新型コロナ危機で各国の医療システムの限界と弱点が表面化している。2003年のSARS流行後から進められてきた国際的な対策計画の成果も見られる。WHOで30年活動した経験を持つプムロル医師に話を聞いた。
もっと読む 「全ての国に新型ウイルス検出・アラートシステムの整備を」
おすすめの記事
ジュネーブ国際会合の取りやめ相次ぐ 新型コロナ拡大で
このコンテンツが公開されたのは、
モーターショーや映画祭、見本市、会議……スイスでは新型コロナウイルスの拡大で様々なイベントが突然の中止を余儀なくされている。国際機関が密集するジュネーブでは、会合が次々と中止・延期に追い込まれている。
もっと読む ジュネーブ国際会合の取りやめ相次ぐ 新型コロナ拡大で
おすすめの記事
新型コロナウイルス、スイス経済に影
このコンテンツが公開されたのは、
新型コロナウイルスの感染拡大がスイス経済に影を落とし始めた。文化・スポーツなどソフト産業から、スイスの伝統である時計産業まで影響は多岐にわたる。
もっと読む 新型コロナウイルス、スイス経済に影
おすすめの記事
「災害リスクの考え方を包括的に」 国連防災担当の水鳥氏
このコンテンツが公開されたのは、
東日本大震災が起きて9年。この大災害から得た教訓を「仙台防災枠組み」に活かして防災・減災のための国家の対応力向上を呼びかけ、大惨事の記憶を風化させないように努める国連防災機関(UNDRR)トップである国連事務総長特別代表水鳥真美氏に防災対策の現状や問題点を聞いた。
もっと読む 「災害リスクの考え方を包括的に」 国連防災担当の水鳥氏
おすすめの記事
スイス人の4人に1人が「国境封鎖すべき」新型コロナで
このコンテンツが公開されたのは、
スイスの日曜紙が国内居住者約1千人を対象に行った世論調査で、4人に1人が新型コロナウイルス感染の広がるイタリアとの国境封鎖に賛成だと答えた。ただ、現在の政府の対応は支持している。
もっと読む スイス人の4人に1人が「国境封鎖すべき」新型コロナで
おすすめの記事
スイス開発協力局の平壌事務所が閉鎖 新型コロナで
このコンテンツが公開されたのは、
スイス開発協力局(SDC)の平壌事務所は、新型コロナウイルスの感染拡大の影響で一時閉鎖された。再開の時期は未定という。
もっと読む スイス開発協力局の平壌事務所が閉鎖 新型コロナで
おすすめの記事
感染経路を突き止めろ スイスの新型コロナ探偵
このコンテンツが公開されたのは、
新型コロナウイルス(COVID-19)の感染に歯止めをかけるため、感染者と接触した人物も全員経路調査を受けている。スイス当局は専門家がこうした「探偵」業務に当たるよう要請している。
もっと読む 感染経路を突き止めろ スイスの新型コロナ探偵
おすすめの記事
新型コロナウイルス対策にスイスの研究が貢献
このコンテンツが公開されたのは、
世界の研究者が新型コロナウイルスのワクチン開発を急ぐ中、スイスの研究者も貢献している。ノーベル化学賞学者のジャック・デュボシェ氏が開発した超高性能の電子画像技術や、ベルン大学が作成したウイルスのクローンがその代表だ。
もっと読む 新型コロナウイルス対策にスイスの研究が貢献
swissinfo.chの記者との意見交換は、こちらからアクセスしてください。
他のトピックを議論したい、あるいは記事の誤記に関しては、japanese@swissinfo.ch までご連絡ください。