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EURO2008で強制売春対策に乗り出す

スイス当局は、EURO2008開催中に売春が広がらないよう期待している Keystone

EURO2008の開催期間中、スイスの警察と非政府組織が、強制売春に立ち向かう。

スイスとオーストリアで開催されるEURO2008 の期間中、スイス警察は巡視回数を増やし、NGOは強制売春防止のための意識啓発プログラムを実施する。

2006年のワールドカップ、ドイツ大会開催中に、「人身売買・移民密輸対策スイス統合チーム (KSMM ) 」が調査を行い、その結果を基にガイドラインを作成した。EURO2008 の開催に向けて、スイス警察と非政府組織 ( NGO ) がそのガイドラインに従い、強制売春の対策を開始した。

未然に防ぐ

 ワールドカップのドイツ大会開催中に、多く見積もって4万人の外国人が強制売春の被害にあうと懸念されていたが、正式に提出された届け出の中で、ドイツ大会に直接関係があると見られるケースは、たった5件に過ぎなかった。ドイツの警察とNGOによると、ワールドカップの開催中、ドイツでは合法売春の件数は増加せず、むしろ売春ビジネスそのものの需要が下降あるいは横ばいとなった地域もあった。

 アナリストは、人身売買の業者、売春婦、客の行動を抑制した強力な警察の存在に加え、そのほかのさまざまな要因が強制売春の防止に寄与したと分析する。例えば、情報キャンペーンによって、女性と接触した男性が、強制売春に気付いたケースもあったと見られる。また、ワールドカップはファミリーイベントとみなされるようになり、買春の機会が減ったことも要因の1つだ。

 KSMMは、ドイツの例から、EURO2008開催期間中に強制売春が問題になることは無いとしても、完全に排除することはできないと判断している。そのためKSMMは、NGOによるキャンペーンの実施が強制売春の防止に役立つと主張し、NGOが、EURO2008 の運営者および被害者保護団体と協力して、キャンペーンを行うことを推している。スイス当局は、防止プログラムを承認した後、そのプログラムに対して合計10万フラン ( 約1000万円 ) の資金協力を提供することを約束している。

清く楽しく

 EURO2008 の開催中、サッカーファンは、ジュネーブ、バーゼル、チューリヒ、ベルンの4都市で、試合と祝祭ムードを健康的に楽しむことができる。試合が行われる23日間は、ビッグスクリーンが設置されるファンゾーンへの立ち入りが自由になる。

 欧州サッカー連盟 ( UEFA ) は、EURO2008の準備のために、それらの各4都市に120万フラン ( 約1億2000万円 ) を提供する。スイスのほかの17都市でも、試合のチケットを入手できなかったファンのために、試合当日に特別パーティーを開く予定となっている。

 2006年のワールドカップ開催中にドイツで行われた「ファンの祭り」は、何百万人もの観客を引き付け、全ての地域で大盛況となった。スイスのEURO2008関係者は、ドイツのようにビッグスクリーンでの試合中継が成功することを願っている。

Swissinfo

EURO2008は6月7日から29日の間、スイスとオーストリアで開催される。

スイスのバーゼル、ベルン、ジュネーブ、チューリヒで15試合が行われる。

ファンゾーンが設置されるのはチューリヒ ( チューリヒ湖周囲とリマット川上流地域 ) 、バーゼル ( クラインバーゼル地区および、ドイツ・バーデン鉄道駅と中央鉄道駅の間の軍兵舎 )、ベルン ( 旧市街の高台 ) 、ジュネーブ ( プランパレ地区およびプランパレから中央駅までの間 ) 

サッカーファンを迎えるにあたって、いかにしてベストコンディションを実現するかを説明した警備マニュアルを掲載したハンドブックが、EURO2008の警備関係者に配布された。

連邦司法警察省によると、ハンドブックの配布は、EURO2008開催までに、警察官、軍の関係者、警備保障会社の警備員が、警備マニュアルに習熟することを目的としている。

この警備マニュアルは、2006年にドイツで行われたワールドカップでの経験を基に作成された。

約160ページから成る警察ハンドブックは、2008年2月にフランス語とドイツ語で4万部発行された。

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