セクハラ撲滅運動が世界中で広まる中、スイスの自治体も対策に乗り出した。(SRF/swissinfo.ch)
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ヴォー州ローザンヌ市の市内16~35歳の女性を対象にした調査によると、昨年、回答者の72%がセクハラ被害に遭った。そのうち口笛を吹かれたのが88%、酷い言葉をぶつけられたのが63%に上ったほか、付きまとわれたのは42%、抱きつかれたケースは32%だった。発生場所の77%が夜間の路上で、46%が公園、18%がバーなどの飲食店やディスコ、11%が駅だった。
ユーモアたっぷりに
セクハラ被害にどう立ち向かうか。ローザンヌ市は地元のコメディアン、ヤン・マルゲ外部リンクさんが主演する、ユーモアの効いたセクハラ対策ビデオを製作。舞台は仮想の美術館だ。ビデオでは、口ひげを生やしたモナリザが通りかかる人に表情で「セクハラ」をする。
チューリヒ市内で行われたキャンペーン外部リンクでは、市警察が掲示板や「中継映像モニター」を使って被害防止を訴えた。ベルンでは、州警察外部リンクがセクハラ被害防止を今後2年間の重要課題と位置づけ、市内の見本市にコーナーを設けた。VRゴーグルをつけると実際のセクハラ被害を仮想体験できる。
立ち入り禁止エリア
フリブールでは、ナターシャ・シュテグマンさんが立ち上げたセクハラ撲滅団体「ミル・セット・ソン(Mille Sept Sans外部リンク)」が、セクハラ被害に遭ったときの対処の仕方を伝授する。市中心部の一部の地域ではセクハラ被害が激しいため、女性が「立ち入り禁止」になっている場所があるという。#MeToo運動は、米ハリウッドのハーヴェイ・ワインスタイン監督がセクハラ問題で告発されたのを機に世界中で広がり、ツイッターなどのソーシャルメディア上で、多くの女性が被害を訴えている。
(英語からの翻訳・宇田薫)
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