スイスは仲介役として、フランスの植民地支配からの独立を要求するアルジェリア民族解放戦線の指導者層と仏政府との交渉の便宜をはかり、アルジェリア戦争(1954~62年)を終結へと導いた。
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アルジェリア戦争では、アルジェリアの民族解放戦線(FLN)が独立を要求してフランスと戦った。60年に行われたFLN・仏政府間の最初の協議は失敗に終わったが、スイス人外交官オリヴィエ・ロンの仲介によって61年、対話が復活する。
スイスは仲介役として非公式会談を手配。それが61年5月の正式な交渉につながった。交渉は仏エビアンで行われたが、アルジェリア代表団はレマン湖を挟んで反対側にあるスイスのジュネーブ近郊に滞在した。同代表団の警備と移動手段はスイス軍と警察が担当した。しかし、両者がこの協議で合意に達することはできなかった。
スイスは62年3月、エビアンでの最終交渉に臨むアルジェリア代表団を再び迎え入れる。エビアン協定の調印によって成功を収めた交渉は、7年余り続いた戦争を終結させ、アルジェリアのフランスからの独立への道を開いた。
このビデオは、パートナーのジュネーブ・ビジョン外部リンクに掲載された記事の転載・翻訳です。
(英語からの翻訳・江藤真理)
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