カカオ栽培で気候問題に挑む 若きフィリピン人女性が奮闘
フィリピン出身のシェフ兼農家のルイーズ・マブロさんは、カカオ栽培を通して地元の人々を支援し、気候対策に貢献する「カカオプロジェクト」を立ち上げた若きチェンジメーカーだ。
ルイーズ・マブロさんは、18日にジュネーブで開催される「ヤング・アクティビスト・サミット外部リンク」に参加する若手活動家6人のうちの1人だ。地元が台風に襲われ、収穫物の大半がダメージを受けたことを機に「カカオプロジェクト外部リンク」を立ち上げた。「カカオに注目したのは、(カカオには)取引市場があるから。また、(カカオは)気候変動に左右されにくく、地球の生態系や景観に適しているのも理由の1つ」
このプロジェクトでは、フィリピンの農家にカカオの苗木を提供し、持続可能な責任ある生産方法を指導。また、森林再生活動を支援するほか、土壌の保水力を改善して水源を再生する取り組みも行っている。
国連から若者対象の地球大賞(Young Champion of the Earth)を受賞したマブロさんは、「カカオ栽培だけではなく、混作も目標の1つ。多様な形の森林農業を地域に導入することも目指している」と語る。
ジュネーブで開催されるヤング・アクティビスト・サミットは、マブロさんなど若者の功績を表彰し、若い人たちにインスピレーションを与えるために2019年に創設されたプラットフォームだ。
今年のサミットにはマブロさんのほか、米国出身で10代のギタンジャリ・ラオさんも参加する。ラオさんは、水に含まれる鉛の含有量を検出する装置や、オピオイド(鎮痛薬)依存症の早期診断装置など、様々な役立つツールを発明してきた科学者だ。
他にも、南太平洋のサンゴ礁の再生に率先して取り組むフランス領ポリネシア出身のティトゥアン・ベルニコさんや、ケニア出身のステイシー・ディナ・アドヒアンボ・オウィノさんが参加する。オウィノさんは、女性器切除の危険にさらされた若い女性を支援するためのアプリを開発したことが評価された。
編集:Dale Bechtel
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(英語からの翻訳・鹿島田芙美)
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