国際都市ジュネーブ

国連はもうすぐ失効するのか？

和平交渉の中心地「パレ・デ・ナシオン」

1920年11月15日、ジュネーブで開かれた国際連盟第1回総会。年次総会は1929年までローヌ通りの端にある宗教改革会館で行われた。その事務局は、隣接するヴィクトリア・ホテルに置かれた — 1920年11月15日、ジュネーブで開かれた国際連盟第1回総会。年次総会は1929年までローヌ通りの端にある宗教改革会館で行われた。その事務局は、隣接するヴィクトリア・ホテルに置かれた ville de geneve

定礎式 — 国際連盟第10回総会で議長を務めたサルバドールの外交官ホゼ・グスタボ・グエレロ氏が、1929年9月7日、定礎式を行った（中央）。グエレロ氏の後に立つのは、パレ・デ・ナシオンの建築家たち。（左から）ジュリアン・フレゲンハイマー（スイス）、アンリ・ポール・ネノ（フランス）、カミーユ・ルフェーヴル（フランス）、ジョゼフ・ヴァゴ（ハンガリー）、カルロフ・ブロッジ（イタリア） Bibliothèque de Genève

ホテル・パレ・ウィルソンの会議室に集まった図書館職員。1920～1936年、パレ・デ・ナシオンの建設が完了するまで、国際連盟は改装された大規模なホテルに拠点を置いた — ホテル・パレ・ウィルソンの会議室に集まった図書館職員。1920～1936年、パレ・デ・ナシオンの建設が完了するまで、国際連盟は改装された大規模なホテルに拠点を置いた UN Archives

パレ・デ・ナシオンの正面中庭。奥に見えるのは図書館棟。1934年6月 — パレ・デ・ナシオンの正面中庭。奥に見えるのは図書館棟。1934年6月 Bibliothèque de Genève

パレ・デ・ナシオンの建設工事。1934年6月 — パレ・デ・ナシオンの建設工事。1934年6月 Bibliothèque de Genève

1958年のパレ・デ・ナシオン。建築家オスカー・ニーマイヤーやル・コルビュジエらが設計し、1951年に発足したニューヨークの国連本部とは対照的なネオクラシカル様式の建物 — 1958年のパレ・デ・ナシオン。建築家オスカー・ニーマイヤーやル・コルビュジエらが設計し、1951年に発足したニューヨークの国連本部とは対照的なネオクラシカル様式の建物 UN Archives

パレ・デ・ナシオンの総会会議場。1936年 — パレ・デ・ナシオンの総会会議場。1936年 Bibliothèque de Genève

1945年4月25日、ハリー・トルーマン米大統領を載せた車列がゴールデン・ゲート・ブリッジを渡り、サンフランシスコに向かう。国連憲章調印のための国際会議はサンフランシスコで行われた — 1945年4月25日、ハリー・トルーマン米大統領を載せた車列がゴールデン・ゲート・ブリッジを渡り、サンフランシスコに向かう。国連憲章調印のための国際会議はサンフランシスコで行われた UN Archives

1945年4～6月、国際機構に関する連合国会議が開催されたサンフランシスコのオペラハウス。加盟国50カ国の代表者が国連憲章に署名した — 1945年4～6月、国際機構に関する連合国会議が開催されたサンフランシスコのオペラハウス。加盟国50カ国の代表者が国連憲章に署名した UN Photo

国連憲章の調印を取材したジャーナリストが頻繁に訪れたスナックバー。1945年6月 — 国連憲章の調印を取材したジャーナリストが頻繁に訪れたスナックバー。1945年6月 UN Photo

1945年6月26日、国連憲章は加盟国の50カ国が署名した — 1945年6月26日、国連憲章は加盟国の50カ国が署名した UN Photo

国連は1945年10月24日に中国、フランス、ソ連、英国、米国と加盟国の過半数が国連憲章を批准し、正式に発足した。国連デーは毎年10月24日に祝われる — 国連は1945年10月24日に中国、フランス、ソ連、英国、米国と加盟国の過半数が国連憲章を批准し、正式に発足した。国連デーは毎年10月24日に祝われる UN Photo

国連郵便局が作成した切手 — 国連郵便局が作成した切手 Akg-images / De Agostini Picture Library

集合写真の撮影場所に向かうソ連のニコライ・ブルガニン首相、ドワイト・アイゼンハワー米大統領、エドガー・フォール仏閣僚評議会議長、アンソニー・イーデン英首相。1955年7月18日 — 集合写真の撮影場所に向かうソ連のニコライ・ブルガニン首相、ドワイト・アイゼンハワー米大統領、エドガー・フォール仏閣僚評議会議長、アンソニー・イーデン英首相。1955年7月18日 Akg-images / Mondadori Portfolio

1955年7月18日、パレ・デ・ナシオンで、軍縮、世界安全保障、ドイツ統一をテーマとするサミットの開始を待つ写真家たち — 1955年7月18日、パレ・デ・ナシオンで、軍縮、世界安全保障、ドイツ統一をテーマとするサミットの開始を待つ写真家たち Akg-images / Mondadori Portfolio

1955年7月、パレ・デ・ナシオンの中庭で、報道陣に向かってポーズをとるソ連のニコライ・ブルガニン首相、ドワイト・アイゼンハワー米大統領、エドガー・フォール仏閣僚評議会議長、アンソニー・イーデン英首相。ここで軍縮とドイツ統一に関するサミットが開催された — 1955年7月、パレ・デ・ナシオンの中庭で、報道陣に向かってポーズをとるソ連のニコライ・ブルガニン首相、ドワイト・アイゼンハワー米大統領、エドガー・フォール仏閣僚評議会議長、アンソニー・イーデン英首相。ここで軍縮とドイツ統一に関するサミットが開催された Akg-images / Erich Lessing

ジュネーブにある国際連合欧州本部の建物「パレ・デ・ナシオン（Palais des Nations）」は、20世紀の和平交渉の中心地となった。その歴史をモノクロ写真で振り返る。

このコンテンツが公開されたのは、 2020/11/15 06:00

フォトエディターとして、SWI swissinfo.chでの写真の編集利用と写真家とのコラボレーションを担当。機会があれば、カメラを持って記者に同行する。チューリヒで写真家として訓練を受け、1989年からフォトジャーナリストとして活動。1990年にスイスの写真家エージェンシー、ルックアット・フォトスを設立。ワールド・プレス・アワードを2度受賞し、スイスの奨学金制度も利用。作品は広く展示され、様々なコレクションに収蔵されている。

人間社会に強い関心があり、人間社会を報道するための手法を熱心に研究。旅行、人との出会い、読書が好奇心の源。

筆者の記事について

English

The palace at the centre of world peace 原文
Français

Le Palais où les Nations ont cherché la paix
Español

Palacio en el que las Naciones buscaron la paz
العربية

القصر الذي بحثت فيه الأمم سبل إحلال السلام

国際法の基礎は、20世紀前半に起きた2つの世界大戦の間に築かれた。100年前に創設された国際連盟が最初の土台を作り、今年75周年を迎える国際連合（国連）が戦争で疲弊した欧州列強とその役割を引き継いだ。

国連は193カ国の加盟国、特に最強国による制限の中でしか行動できない。しかし、この点で、国家間で合意された進歩は非常に目覚ましいものだった。難民の認定やその支援機関の設立、人権の尊重を促進する国際条約、電気通信や知的財産権の分野の技術基準制定など、国連が国々の多くの異なる問題への協働を可能にする。

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多国間主義と外交の中心地ジュネーブ

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今日の多極化した世界で大国間の緊張が再燃していることから、これらの成果は決して当然のことではない。だが、すべての国が国連の加盟国であり、市民社会は重要な役割を与えられているため、国連は加盟国の力の均衡を保とうとする主要な機関であり続けている。

（英語からの翻訳・上原亜紀子）

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