新型コロナウイルスの感染拡大により、2020年3月以降、ジュネーブにある国連欧州本部(パレ・デ・ナシオン)や多くの国際機関本部からは職員や訪問者の姿が消えた。
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2008年にswissinfo.ch入社。移民・難民問題、様々な教育機関、観光、スイスにおけるイスラム教など、スイスの日常生活に関した様々なテーマについて記事やリポートを長年にわたり手掛ける。
英国生まれ。1994年からスイス在住。1997年から2002年までチューリヒでグラフィックデザインを学ぶ。数年前に写真編集者に転身し、2017年3月からswissinfo.chのチームに参加。
世界の人権状況を審査する「普遍的・定期的レビュー(UPR)」を開催する国連人権理事会(UNHRC)や国連人権高等弁務官事務所(OHCHR)、世界保健機構(WHO)、国連の政府代表部の一部を除き、今では多国間外交活動のほとんどがオンラインで行われている。
ジュネーブの多国間外交活動の歴史において、2020年3月は転機となった月だった。この月を境にホスト国のスイスが新型コロナ感染対策措置を導入し、ほぼすべての国際会議がZoomやMicrosoft Teams、ウェビナーなどのデジタルツールを通して行われるようになった。
だが紛争解決のための外交は、デジタル技術に過剰に頼ることはなかった。平和と安定を目指す交渉に参加するため、イエメンやシリア、リビアなどの国からは代表団が引き続きジュネーブを訪れている。和平交渉では、綿密な議論を行うために紛争当事者を同じテーブルにつかせることが理想的だ。
ここで紹介する写真は、ジュネーブにある国連欧州本部(パレ・デ・ナシオン)の風景が、新型コロナの感染拡大の前と後でがらりと変わった様子を伝える。代表団や外交官がひしめいていた会議室や廊下に対し、オンライン会議で数人しか出席者がいない中にずらりと並ぶスクリーン。そのコントラストはあまりにも大きい。
(仏語からの翻訳・由比かおり)
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コロナ時代の多国間外交のあり方とは
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「国際都市ジュネーブ」は、シリア、リビア、イエメンなどの紛争国の和平交渉に参加する代表団の一部を、昨年3月以降も引き続き受け入れてきた。だが外交活動の多くがオンラインで行われるようになった今、このネット外交にはどれほどの価値があるのだろうか?
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