ウクライナでは爆弾やミサイルだけでなく、地雷や不発弾も人々の生活を脅かしている。その危険は長期に渡り戦地に潜むことになる。
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民間人が家に戻って生活を建て直す前に、町や家、道路、野原から爆発物を撤去しなければならない。NGOのスイス地雷除去財団外部リンク(FSD、本部・ジュネーブ)は、その作業に当たるウクライナ軍を支援する。現時点でウクライナにどのくらいの地雷や不発弾が埋まっているかは分からないが、これまでの紛争を踏まえると相当な数に上ると予想される。
毎年、過去の戦争で使われた爆発物による死傷者が出ており、特に子供の犠牲が多い。紛争当事者が故意に設置した対人・対戦車地雷や不発弾などだ。爆弾の「不発率」は25%に達し、不発弾の危険は戦闘が終わった後数十年にわたって残ることがある。
民間人にとってもう1つの危険は、放棄された武器・弾薬の備蓄だ。偶発的な爆発を引き起こしたり、略奪され即席地雷に転用されたりする恐れもある。FSDは地雷除去や備蓄の破壊、リスク教育、被害者支援に取り組んでいる。
2月24日にロシアによる侵攻が始まって以来、ウクライナでは数千人の民間人が死亡したと報じられている。大半は重砲や多連装ロケットシステム(MLRS)、ミサイル、空爆など攻撃範囲の広い爆発性兵器が原因だった。両当事国が対戦車地雷を使用しているとされる。
(英語からの翻訳・ムートゥ朋子)
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