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スイスの内憂外患 こじれる対EU条約交渉

スイスと欧州連合(EU)は3月、新たな包括的二国間条約の締結に向け、交渉を再開した。スイスのヴィオラ・アムヘルト連邦大統領は年内締結を目指すが、国内で強い反発を呼んでいる。

欧州連合(EU)非加盟のスイスとEUは過去数十年にわたり、貿易、輸送、安全保障、教育などの分野で多数の二国間協定を結んできた。これを制度的枠組み条約として1本化する交渉を2014年から続けてきたが、賃金保護や司法面で折り合いがつかず、スイスは2021年5月、交渉を打ち切った

2022年3月から新たな包括的条約の締結に向けた予備交渉が行われたが、主権や人の移動の自由に関するスイス側の懸念は払拭(ふっしょく)できなかった。人の移動の自由はEUが基本理念とする「人・物・資本・サービスの移動の自由」の1つだ。

スイス政府は今、EU市場への無障壁参入をめぐる各種協定の改定や新規の協力分野を盛り込んだ条約案を提示している。

だが、スイス国内では右派政党だけでなく左派政党からも強い反発が出ている。条約が締結に至っても国民投票で覆される可能性もある。この動画では、スイスとEUの複雑な関係を解説する。

英語からの翻訳:江藤真理、校正:ムートゥ朋子

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