スイスのイメージといえばアルプスの山々。中でも代表的なのがマッターホルンだ
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昨年、スイスの国際的イメージは向上した。海外メディアの関心が最も高かったのはスイス・ビュルゲンシュトックで開かれたウクライナ平和サミットだった。
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スイス連邦外務省のPR機関「プレゼンス・スイス」が出した最新の年次報告書で明らかになった。プレゼンス・スイスは毎年、どのような話題が国外の関心を集め、あるいは国外で報じられ、それがスイスのイメージにどのように反映されたかを分析している。
報告書によると、2024年、スイスの国外におけるイメージは著しく向上した。2024年、国外におけるスイス関連の報道は全体的に減り、特に批判的な報道が少なかった。ウクライナ戦争に対するスイスの姿勢や大手銀行クレディ・スイスの経営破綻など、スイスが否定的に報じられることが目立った2022年と2023年とは対照的だった。
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また18カ国(日本含む)、1万1000人に行った聞き取り調査でも、総合評価で61ポイント(-100から+100ポイントで評価)を獲得。比較対象となった7カ国(デンマーク、ドイツ、カナダ、オランダ、スウェーデン、英国、米国)を上回った。
プレゼンス・スイスは「2024年はスイスのイメージにとって良い年だった」とした。
海外メディアの注目を最も集めたのはスイス・ビュルゲンシュトックで昨年6月に開かれたウクライナ平和サミットだった。海外メディアでは客観的あるいは肯定的な報道が大半を占めた。ロシアのメディアは例外で、当事国であるロシアが参加しない時点で会議は失敗だと報じた。
スイスと欧州連合(EU)の二国間関係はそれに比べれば海外メディアで大きく取り上げられなかったが、国内では2024年末の二国間枠組み協定をめぐる交渉終了が、歴史的な成果として注目された。
スイス連邦政府の気候変動対策を批判した欧州人権裁判所(ECHR)の判決や、ユーロビジョン・ソング・コンテスト(ESC)でスイス代表のネモが優勝したことなども、マスコミやソーシャルメディア上で国際的な注目を集めた。2025年のESCはスイスで開かれるため、再び注目される可能性が高い。
また、国外に住む一般市民のスイスに対するイメージは安定している。この聞き取り調査は2年に一度行われているが、回答者の70%が、スイスに対するイメージは2年前と変わっていないと答えた。また14%がスイスの印象が良くなったと答え、悪くなったと答えたのは3.6%にとどまった。スイスの印象が良くなった理由には、イノベーション能力と良好な経済情勢が挙がった。
地域別では、スイスのイメージは近隣諸国の方が、距離の遠い国よりも批判的な傾向が出た。また、スイスの3大イメージは、山・アルプス(23%)、美しい国(21%)、チョコレート(18%)で、中立(10%)や銀行(11%)を上回った。
つまりスイスのイメージは全体的に非常に良く、物理的距離が遠ければ遠い国であるほど良くなる傾向だった。
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