スイスの学校教育は各州が管轄する。スイスの州は全部で26州。つまり26通りの教育制度があるということだ。
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現在、大半の州が、教育制度を全国的に調和させようとしている。フランス語圏ではこの動きが進んでいるが、ドイツ語圏の一部地域は反対している。
スイスの教育制度については、州教育委員会代表者会議(EDK/CDIP)の概要と図表(英/独/仏/伊/ロマンシュ語)を参照。
初等・中等教育課程
スイスの義務教育は11年間。ほとんどの児童が幼稚園に1~2年通った後、6、7歳で小学校へ入学する。初等教育の後は、前期中等教育課程へ進み、一般的な教育を受ける。児童はこの段階で、大学進学を目的とした普通高校への進学、あるいは職業訓練のグループに分けられる。
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職業訓練
16歳からは後期中等教育課程に進む。通常3~4年。ほぼ全員の子供がこの課程に進む。職業訓練を選択するのは全体の3分の2以上。職業訓練生は働きながら週に1~2日、学校に通う。
ドイツと同様、職業訓練制度はスイスの教育制度の大きな特徴だ。現在スイスでは約300種類の職業訓練が受けられる。詳細は、連邦経済省教育研究革新局(SBFI/SEFRI)のサイト外部リンク(英/独/仏/伊語)へ。
大学入学を目指すための学校
大学入学を目指す教育機関である普通高校(ギムナジウム/リセ/ジムナズ)に進学する生徒は全体の約2~3割。ここでさらに踏み込んだ幅広い一般教養を学ぶ。卒業時の生徒の年齢は19~20歳。大学入学資格(マトゥーラ/マチュリテ)の試験に合格すると、州立大学や連邦工科大学2校のいずれかに入学できる。
専門高等教育
職業訓練生は、国家資格の職業系高等教育進学資格(職業マトゥーラ/職業マチュリテ)を取得した後、応用科学大学8校のどれかに進学できる。応用科学大学は、コンピューターサイエンスからサービス産業などの職業訓練を提供する大学レベルの教育機関。これらの機関では第3次教育として、実践的な職務経験を積める。スイスには教員養成大学外部リンクも20校ある。職業訓練生が国内の州立大学や連邦工科大学に進学したい場合は、別に大学適正試験(UAT)に合格しなければならない。
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ステファン・クルッカーさんは、14〜15歳の若者の気持ちをよく理解している。元キャリアカウンセラーで、現在は他のキャリアカウンセラーを監督する立場にあるクルッカーさんは、学校やベルンの職業・教育・キャリア相談センターで、将来に悩む若者を何千人も見てきた。
通常、義務教育の終わりに、生徒たちは選択を迫られる。進学の意志があり成績が足りている者は高校に進み、他の者は職業訓練の道に進む。多くの場合、前者の道は大学へ続き、後者の道を行けば実社会に出るが、その後専門系の学校に行くことも可能だ。クルッカーさんによると、社会の要求や期待が変化するにつれて、スイスの若者は昔より多くのことを考慮しなければならなくなっている。
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