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文化

スイスの風刺画で振り返る２０１５年

© ALEX Alexandre Ballaman ２０１５年は、風刺の世界を「殺そうとした」年として歴史に残るだろう。パリで１月７日、２人のテロリストが仏紙シャルリー・エブドの本社を襲撃し、風刺画家など１２人が死亡した Alexandre Ballaman
「総選挙では再び右側に傾くだろう」「ええ、それは大いにあり得えます！」 © Carlo Schneider １０月の総選挙では保守右派の国民党が大幅に議席数を伸ばした。国民党の精神的指導者クリストフ・ブロッハー氏とそのまな弟子ロジャー・ケッペル氏の支える板の上を滑り落ちるのは、スイス連邦のシンボルである「ヘルヴェティア」 Carlo Schneider
「スイスの春！スイス全土でこうなのか？」© SWEN Silvan Wegmann 自由緑の党の議席数減を風刺するイラスト。雨天のために離陸できないソーラーインパルス（太陽エネルギーだけで世界一周を目指すスイスの電動飛行機）と、緑色の服を着た自由緑の党のマルティン・ボイムレ党首。１１年の総選挙で大勝利を収めた同党は、うって変わって昨年は１３議席中５席を失った Silvan Wegmann
© ALEX Alexandre Ballaman ノーコメント…。ちなみに国際サッカー連盟（FIFA）のゼップ・ブラッター会長はスイス人 ALEX Alexandre Ballaman
© SWEN Silvan Wegmann 無限のインスピレーションの源にもなるブラッター氏 SWEN Silvan Wegmann
© Patrick Chappatte 年末のスキャンダル。独フォルクスワーゲン社によるディーゼル車の排ガス試験不正が発覚 Patrick Chappatte
© TOMZ Tom Künzli 犬のように連邦議会議事堂を紐につないで持つ２人の男性。１人の持つアタッシュケースには「カザフスタン」の文字が。スイスの一部の政治家に対して行われた、カザフスタンによる不透明な政治献金を示唆するイラスト Tom Künzli
© Max Spring 世界の隅々まで触手を伸ばすタコの「Google」と、それをチクリと刺す小さな人物。スイスの通信大手スイスコムは、巨大な多国籍企業に懸命に抵抗している Max Spring
「戦争」© Patrick Chappatte パリ同時多発テロ事件翌日のオランド仏大統領 Patrick Chappatte
© Felix Schaad パリ同時多発テロ事件の実行犯の出身地である、ベルギー・ブリュッセル近郊のモレンベーク。ベルギー生まれの漫画のヒーロー「タンタン」は「盲目」になったのか… Felix Schaad
「では各省の振り分けに移りましょう」 © SWEN Silvan Wegamnn １２月９日の閣僚選挙で国民党のギー・パルムラン氏が新閣僚に選出された。パルムラン氏の本職はワイン製造 SWEN, Silvan Wegamnn
© Peter Schrank 欧州に押し寄せる移民・難民の波 Peter Schrank
「いつの日か全てがお前のものになるよ」「でも相続税２０％が差し引かれますよ」© TOMZ Tom Künzli 連邦議会議事堂を見つめる右派国民党の精神的指導者クリストフ・ブロッハー氏とその娘マグダレーナ・マルトゥロ・ブロッハー氏。マルトゥロ・ブロッハー氏は父親からスイスの最大手企業エムスケミー社を後継し、１０月の総選挙では当選を果たした Tom Künzli

難民問題やテロ、スイス連邦議会総選挙、国際サッカー連盟（FIFA）のスキャンダル…。２０１５年はスイスメディアの風刺画家たちにとって、話題に事欠かない１年になったようだ。

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２００８年から毎年、約５０人の風刺画家が選んだその年の最も特筆すべきイラストを展示する展覧会「Gezeichnet（イラスト）外部リンク」が開かれている。今年その会場となったのは首都ベルンの「コミュニケーション・ミュージアム（Museum für Kommunikation）」。１２年からは来場者によってその年の「最優秀風刺画」が選ばれている。またこの展覧会は同時に、異なった四つの言語地域を持つスイスの文化的境界を越えようという試みでもある。

風刺画に関するスイスインフォの過去の取材に対しローザンヌ大学のフィリップ・ケネル教授（美術史）は、「スイスの風刺画は、英国やフランスほど派手ではない。だが４０年ほど前から、国際的な出来事にも反応する多くの優れた風刺画家が出てきている」と述べている。例えば、米国在住のスイス人風刺画家シャパットのイラストはニューヨーク・タイムズなどの国際的な主要紙に定期的に掲載され、仏紙クーリエ・アンテルナショナルはスイスのコミック作家ミックス・リミックス（Mix & Remix）の作品を採用している。

昨年１５年は重大な出来事も多く、スイスの風刺画家にとっては題材に事欠かない１年だったかもしれない。だがその幕開けは、パリで起こった仏紙シャルリー・エブド本社の銃撃事件という悲劇的な事件だった。

（文・Daniele Mariani、swissinfo.ch）

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