スイス発のアートフェア「アートバーゼル」が初めて開かれたのは、50年前の1970年。その後瞬く間に世界有数の芸術見本市に成長した。
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バーゼルのアートディーラー、ギャラリーオーナー、そしてギャラリーオーナー・ディーラー・コレクターのエルンスト・バイエラーらが1960年代末にこのコンセプトを考案。70年6月に初のアートバーゼルを開催した。彼らが目指したのは、世界の聴衆向けに、文化市とセールスイベントを融合したものを提供することだった。
時期は熟していた。カラフルで、大型のフォーマットを用いたポップアート、日常生活をモチーフにした芸術は、現代美術やパフォーマンスアートへの敷居を下げ、多くの人の関心を誘った。
最も厳しい選択基準
最初の数年間、アートバーゼルは発案者らが運営し、ギャラリーオーナーは登録すれば参加が可能だった。だがこのルールはすぐに変わった。
4年後の1974年には、アートバーゼルに定期的に参加する著名ギャラリーオーナーらによる委員会(毎年メンバーを更新)が、出展者を厳選し、出展作品を厳しくチェックした。
このルールを導入したのは、ギャラリーオーナーからの参加申請が急増したためだ。始まって間もないアートバーゼルは突如として国際的な人気を呼んだ。
世紀が変わってから、アートバーゼルは米国、アジアに拠点を広げた。アートバーゼル・マイアミは2002年、アートバーゼル香港は2013年にそれぞれ設立された。アートバーゼル香港は毎年開催されるアジア最大のアートフェアだ。 35カ国からのギャラリーが出展している。
アートバーゼルは新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)の影響で、予定していた50周年記念の大陸間アートプロジェクトを延期することを決めた。
(独語からの翻訳・宇田薫)
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