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スイスのマリオ・ボッタ世界に飛躍

ミラノ、スカラ座の修復を手がけるボッタ Keystone

還暦を迎えた、スイスの最も有名な建築家、マリオ・ボッタは今まで以上に忙しいプラニングをこなし、世界中にプロジェクトを広げている。

北京から帰国したボッタが、スイスインフォのインタビューに答える。

スイスインフォ:北京から戻っていらしたばかりですが、清華大学で美術館をつくる契約を結んだという話ですが ?

ボッタ: 私の初めての中国でのプロジェクトです。私が講演をするために清華大学を訪れた際に、大学のキャンパス内で美術館を建設するコンクールに参加しないかと持ちかけられたのです。このコンクールで選ばれたので契約を結んできたところです。 この大学では同時に、アメリカの建築家グループも美術学校の建設を手がけるのですよ。

スイスインフォ: 中国の印象はどうでしたか?

ボッタ: 現在、中国では興奮状態というか建設して発展して、新しい建築を取り入れるのに熱狂しています。例えば、上海など街が爆発している感じですね。 中国はこのような大変革の口火を切る期待で一杯で資源もあります。しかし、中国人は大きなジレンマ(板ばさみ)に直面しているようです。あまりの早い変化に彼らの歴史や思い出が揉み消されるのではないかと恐れているのです。

スイスインフォ: 向こうで初めて、中国語で貴方についての本が出版されたらしいですが ? 本の反響はどうでしたか?

ボッタ: 素晴らしい本です。僕の仕事を写真と一緒に忠実に紹介しています。本の紹介は招待された人々の興味を惹いたようですよ。

スイスインフォ: 国際的なコンクールを世界中で手がけていらっしゃいますが、スイスでの仕事は ?

ボッタ: 確かに、外国でのプロジェクトに時間を全て取られています。一番多く、働いているのはイタリアですが、ミラノのスカラ座の修復は2004年末には終わる予定です。ピエテリチーナの会議所も順調です。 しかし、トリエステの旧港の修復プロジェクトは宙ぶらりんの状況で中止されるかもしれません。

二つの教会の設計も手がけていまして、一つはベルガモの近郊のセリアーテで建設が始まり、もう一つはトリノに作られる予定です。トスカーナでは新しいワインを売り出そうとしているソムリエの大きなワインセラーを手がけています。

これまた、イタリアですが年末にパドバで開催される展覧会を準備中で、僕のここ10年の作品の模型や家具やオブジェのデザインも含めて全て展示します。

美術館も実はもう一つ、米国ノースカロライナのシャルロットビルでのプロジェクトを進行中です。 スイスでのモルコーテの駐車場の建設は環境保護団体の反対で滞っていて、建築許可を申請しているところです。デイアブレ山のレストランですが、昨年末にオープンしたのですよ。

スイスインフォ:「人は歴史と関わっていないといけない、街の旧市街が空洞化してはいけない」と伺いましたが現在でもそう思いますか ?

ボッタ: 今までよりももっと確信を持っています。時間が経つにつれ、建築家というのは土地の記憶を働かせるものだと思うようになりました。「私は記憶するゆえに存在する」

スイスインフォ: 貴方のキャリアは随分長いですが初期の創作意欲を未だに持ちつづけていらっしゃいますか ?

ボッタ: 年が経つにつれ、強烈になってしまって、リラックスしたり、スローダウンしたりすることができなくなってきました。 新しいプロジェクトのたびに子供に戻るようです。新しいことを始めるたびに初めてのような気がします。

(インタビュー、ゲマ・ウルソ/ 翻訳、屋山)

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