スイスメイドの時計とは?
スイス時計業界はスイスメイド ( Swiss Made ) のラベルの信頼性をもっと高めようとしている。
つまり、将来スイスメイドのラベルが貼られるには、部品も組み立てもほとんどの部分がスイスで作られたものに限られるようになる。
6月28日の「スイス時計協会 ( FH ) 」の総会で、スイスメイドに関する基準がもっと上がることになると語るのは、スウォッチグループのニコラス・G・ハイエック会長。「時計産業界を守るには必須の条件」とハイエック氏は力説する。
低い基準への懸念
「現在のスイスメイドの基準では十分ではない。このままでは国際化の波の中で、乱用や模倣が横行する」とハイエック氏は懸念を隠さず「スイス時計の信頼性と本物であることを守っていくには基準を高めるしかない」とフランス語圏の日刊紙ル・タンのインタビューで語った。
スイス時計協会会長、ジャン・ダニエル・パシェ氏もドイツ語圏の日曜新聞ゾンタークス・ツァイトゥングで、消費者のスイス高級時計に対する信頼性が失われることを心配していると語った。
「現在の基準は1971年のもの。ムーブメントがスイス製であることを要にしている。しかし消費者が買うのはムーブメントだけではない」と他の部品やデザインもスイス製であることの重要性を強調した。
新基準
現在のスイスメイドの基準は、ムーブメントがスイス製であること。組み立てとコントロールはスイスで行われることに限られている。
将来の基準では、上記の条件に加えて、機械式時計では最終製造価格の80%、クオーツでは60%がスイス製であること ( ここでいう最終製造価格にブラスレットや金やダイヤなどの材料費は含まれない ) 。また試作品の制作や新しいムーブメントの制作はスイスで行われることが謳( うた )われる。
「確かに、低価格の時計メーカーにはこの新基準は厳しいものであるが、だからといって新基準に同意しない理由はない」とパシェ氏。一方ハイエック氏も「新基準適用に、メーカーはゆくっり時間をかければいい。すぐ行う必要はないのだから」と語った。
swissinfo、外電 里信邦子 ( さとのぶ くにこ )
2006年、スイス時計産業は輸出の記録を更新した。
2005年比10.9%増で、137億フラン ( 約1兆3700億円 ) の輸出総額であった。
2006年の12月だけで3.3%輸出が伸びた。
JTI基準に準拠
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