スイス人新鋭監督「ハリウッドは世界一の遊び場」
3月初旬にロサンゼルスでアカデミー賞受賞者に授与されるオスカー像は、映画人なら誰もが一度は手にしたいものだ。スイス人のシモン・シュトイリさんもまた、いつかハリウッドで映画製作者としてブレイクし、オスカー像を勝ち取ってみたいと夢見ている。ロサンゼルスで映画人として生き残りを掛けて戦う、彼の生活に迫る。
若い外国人が映画制作者としてハリウッドで地に足をつけて生きていくためには、情熱、自信、強い意志と、ねばり強さがなければならない。ベルン出身、今年37歳になるシモン・シュトイリさんは、まさにそういう人物だ。
エンメンタール生まれのシュトイリさんは、スイスでラジオパーソナリティーとして働きながら映画学校を卒業。今ようやく自身の夢をかなえるべく、その第一歩を踏み出した。現在はハリウッドに住み、そこで働いている。
今年のアカデミー賞にノミネートされた作品の多くが、シュトイリさんを勇気付ける。「『ダラス・バイヤーズクラブ(日本公開2014年2月/ジャン・マルク・ヴァレ監督)』は安い制作費のもと、自然光のみを使用して、かつ23日間という短期間で撮影された。このような制作スタイルの映画が出てきたため、今までのハリウッドのスタイルが変わりつつある。私と同じ世代出身の監督たちは、まさにこういうかたちの映画制作を学んだ」とうれしそうにシュトイリさんは語る。「ここは自分が考えつく中で最高の環境だ。まるで一番の遊び場を手に入れた子どものような気分になる」
もちろん映画産業の本場における競争は激しい。他の才能のある人たちとは対照的に、シュトイリさんはハリウッドでの仕事の人脈をそれほど築けていない。「どんな木もまず根もとから。そこから成長し、そして花を咲かせる」のが彼のモットーだ。
一方でシュトイリさんは次の夢が一刻も早くかなえばとも願っている。ひょっとすると、今年にでも彼の初「メイド・イン・ハリウッド」映画が出来あがるかもしれない。
(写真:アデリン・ウォールウェンド、文:レナート・キュンツィ、swissinfo.ch)
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