スイスの文学作家デュレンマットの遺産
ベルンのスイス文学文書館(SLA/ALS)は、スイスの劇作家フリードリヒ・デュレンマット(1921~1990年)の協力なしには存在しなかったかもしれない。デュレンマットは、国が文書館を創設することを条件に、彼の作品や所持品を寄贈すると遺言に残していた。
国立の文書館設立の話を持ちかけたのは、スイスの作家およびドイツ文学者として著名なペーター・フォン・マットだった。当時、スイスの作家マックス・フリッシュ(1911~1991年)の遺品管理を任されていた彼は、作家の遺品は公有の財産であるべきだと確信していた。
こうしてフォン・マットはデュレンマットの弁護士ペーター・ノーベル氏の協力を得て、デュレンマットを説得。そして1988年、「国立の文学文書館を設立するならば、無償でデュレンマットの作品や所持品を寄贈する」と国に話を持ち込むことに成功した。
それから25年、スイス文学文書館には250を超える文学作品および作家たちの遺品などが所蔵されている。
(文・Sibilla Bondolfi 写真・Simon Schmid、スイス国立図書館、写真部・Christoph Balsiger、swissinfo.ch)
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