映画「ハリー・ポッター」シリーズで、主人公と学友を魔法魔術学校へ運んだホグワーツ特急は、長年読者の想像の世界と映画のスクリーンの中だけの存在だった。しかし最近、米フロリダのユニバーサル・スタジオの新しいアトラクションとして登場。夢の列車のレプリカは、スイスのケーブルカー製造企業が密かに製造した。(SRF/swissinfo.ch)
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あの有名なホグワーツ特急のレプリカを製造したのは、スイスのケーブルカー製造企業ガラヴェンタだ。プロジェクトは多くの点で特殊だった。「観光地でよく見かける、山へ乗客を運ぶケーブルカーと同様のものだ」とガラヴェンタのイシュトヴァーン・サライ社長はスイス国営放送に語った。「特別な点は、外からは蒸気機関車のように見えること。乗客をイリュージョンで魅せるためだ」
ホグワーツ特急は、ケーブルカーのように鋼索(ケーブル)で動くが、斜面ではなく平坦地を走る。ガラヴェンタは2年半の間、この特急列車の製造プロジェクトに集中的に取り組んだ。当時このプロジェクトはトップシークレットとして進行し、製造はスイス中部のゴルダウにある同社の工場で行われた。完成後、合計約500トンになる客車6両、機関車2両、ステアリングの構成部分を積載した車両2両が、ゴルダウから米国へ輸送された。
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(英語からの翻訳・大野瑠衣子)
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午前8時45分、上方の駅にレトロな姿が現れた。歴史遺産に指定され、市民が誇りにするケーブルカーだ。「フニキュレール(Funiculaire)」と呼ばれるこのケーブルカーはフリブール市の中心地と下方の街を結ぶ。地元観光局のサイトでも、「街から出る排水を使い、『おもりの原理』で動くヨーロッパで唯一のケーブルカーです」と、誇らしげに紹介されている。
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