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ロカルノ国際映画祭2014 ラヴ・ディアス監督の5時間半の映画 金豹賞に

金豹賞を手に喜ぶラヴ・ディアス監督 pardo.ch

第67回ロカルノ国際映画祭は16日、国際コンペティション部門でフィリピンのラヴ・ディアス監督の作品「Mula sa kung ano ang noon(英題 From What is Before)」に金豹賞を授与し、幕を閉じた。同作品は質の高さだけではなく、5時間半に及ぶ上映時間においても話題を呼んだ。


 映画は1970年代、フィリピンの見捨てられた小さな村での話だ。この話を通じ、故・マルコス大統領の独裁政権下、抑圧に苦しむこの国の劇的な運命が綴られていく。

 「この作品は、映画の時間と空間という概念を完全に打ち破るものだ。また映画とは何かという一般の認識さえも打ち破った」と、国際コンペ部門の審査委員長、ジャンフランコ・ロッシ氏は話した。「また、ドキュメンタリータッチで始まるのだが、徐々にイタリアのベルトルーチ監督が作りだす世界であるかのように変貌していく。つまり、フィリピンの70年代の歴史的事実を越えて、濃密な物語の世界に観客を引き込んでいく」

「Mula sa kung ano ang noon(英題 From What is Before)」 pardo.ch

そのほかの賞

 一方、新人の監督を見出す「新鋭監督コンペ部門」では、メキシコのリカルド・シルヴァ監督の「Navajazo」が最優秀作品として金豹賞を獲得した。

 「短編コンペ部門」では、英国のピア・ボーグ&エドワード・ローレンソン監督の「Abandoned Goods」に金豹賞が贈られた。

 また、「新鋭監督コンペ部門」にノミネートされていたスン・ミ・ユ監督の「Songs from the Norht(北からの歌)」が、オペラ・プリマ賞を獲得している。この作品も北朝鮮をドキュメンタリータッチで描きながら、監督の父親が登場するなど監督の個人的な「物語」の要素も織り込まれた作品だ。

 なお、スイスの映画は今年42本上映され、その存在感が高かった。コンぺティション以外のピアッツァ・グランデ広場の上映では、観客が選ぶ「観客賞」が、スイスのペーター・ルイジ監督のスイス国内での難民申請者の姿を描いた「Schweizer Helden(スイスの英雄たち)」に贈られた。

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