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ローザンヌで羽を広げるバレエダンサー

ローザンヌ国際バレエコンクール、オンライン開催はダンサーにとってマイナス?

スイス西部ローザンヌで2月1日、第49回ローザンヌ国際バレエコンクールの審査が始まった。新型コロナウイルス感染症防止対策により、今年はオンラインでビデオ動画を審査するeコンクールとなった。どのようなメリットとデメリットがあるのだろうか。

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圧倒的な表現力で観客を釘付けにするダンサー、シルヴィ・ギエムさんに憧れる東京出身の小林愛里さん(15)。6歳からバレエを習い始め、今回、プロのバレエダンサーを目指して、ローザンヌ国際バレエコンクールに初めて出場する。しかし、現地ローザンヌに渡航することなく、東京にいながらの参加だ。

新型コロナウイルスの影響で、今回はオンラインで選考するeコンクールとなった。出場者は、自分が所属するバレエ教室やスタジオでクラシックとコンテンポラリー・バリエーションのパフォーマンスを録画し、事務局に動画を送信して応募。ダンサーがコロナに感染する確率が低下するだけでなく、コンクールに参加するための旅費や宿泊費はかからず経済的負担は軽減され、動画は自分が納得行くまで何度でも撮り直しできる。

その一方で、昨年も同コンクールに参加したルイ・セザール・クルーズさん(18)は、「やりがいが異なる」と言う。ダンサーは作品を自分なりに想像を膨らませるが、例年のようにコンクール期間中にローザンヌ現地で直接指導を受けられない。体の使い方や振りのニュアンスを正確にとらえるのは、特にコンテンポラリーでは至難の業だ。ゴヨ・モンテロ振付「Bow」を踊る小林さんは、「作品の中で指を観音さまのようにする所があり、その意味を直接聞きたかった」と歯痒い思いをする。そして、演技は無観客。舞台空間を感じることもない。

審査員9人は、審査会場となったローザンヌのホテルで、スクリーンに映し出された出場者78人の動画を100時間かけ、年齢の若いダンサーから順に一人ずつ精査する。審査基準に変更はない。そして、演技はストリーミング配信される。だが、ひっそりとした審査会場には10数人の映像編集者がいるが、通常のコンクールのように仲間でありライバルである同志ダンサーたちのいきいきとした声援が飛び交うことはない。

コロナ禍においても、ローザンヌ国際バレエコンクールは、ダンサーが一流を目指して努力したこれまでの稽古の成果をバレエ学校やバレエ団に見せる場。2月というコンクールのタイミングは、若手ダンサーが春までに進学先を見つける絶好のチャンスでもある。同コンクールの芸術監督兼最高責任者のキャサリン・プラドニー氏は、eコンクールによって「パートナーのバレエ学校やカンパニーがダンサー一人一人に時間をかけて動画を見て、進路のオファーをすることもできる」と説明する。バーゼル劇場の芸術監督で今回審査委員長を務めるリチャード・ワーロック氏は、「1年間も演技を披露できない、レッスンに行けない、練習場所に制限があるという状況なら、(コンクールは若手ダンサーにとって)自分自身を魅せるためのチャンスでもある」と語る。

一流ダンサーというキャリアを掴むため、年齢制限のあるオーディションのタイミングを逃したくないと一心なダンサーに希望のスポットライトが当たる。

ローザンヌ国際コンクール

正式名称はPrix de Lausanne外部リンク(プリ・ド・ローザンヌ)で、才能豊かな若いバレエダンサーがプロの道に踏み出すことへのサポートを目的とし、スイス西部のヴォー州ローザンヌで1973年から開催されている。15~18歳の若いダンサーを対象にした世界最高の国際コンクールの一つで、若いダンサーの登竜門とも言われる。現在カンパニーとプロとして契約中、または過去にプロ契約を結んだことのあるダンサーは参加できない。入賞者は、奨学金を受け取り希望するバレエ学校かバレエ団で1年間研修できる。

本選の第49回ローザンヌ国際バレエコンクールは、20カ国から78人が出場し、ビデオ形式で2021年1月31日~2月6日に開催される。2月5日までにファイナリスト20人を選抜し、2月6日に受賞者を発表する。


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担当: 上原 亜紀子

ダンスコンクールのオンライン化に賛成?それとも反対?

新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、ローザンヌ国際バレエコンクール2021はオンラインで開催されることになりました。 eコンクールならではのメリットやデメリットがあると思いますが、将来も継続してダンスコンクールがオンラインで行われることに、あなたは賛成ですか?それとも反対ですか? みなさんのご意見や体験談をぜひ聞かせてください。

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