文化 写真で見る現代スイスのタイポグラフィー 前 次 「Euclid Flex」(デザイン:Emmanuel Rey、Swiss Typefaces社、2011年) 書体「Euclid Flex」は、円や直線から構成される幾何学的なサンセリフ書体で、Swiss Typefaces社のベストセラーの一つ。ここではヌーシャテル州のラ・ショー・ド・フォン美術館の展覧会ポスターのシリーズに使用されている。Euclid(ユークリッド)は古代ギリシャの数学者で、幾何学の父として知られる(onlab.ch) onlab.ch 「Euclid Flex」は、当初「Euclid BP」として2011年に単一でリリースされたが、2012年にイタリック体を含む5種類のウエイト(太さ)から成る書体ファミリーに拡張された。2013年4月発行のニューヨークタイムズ・マガジンの「フード&ドリンク年鑑」では「Euclid BP」のほとんどのパターンが使用された(media.magpile.com) media.magpile.com 「GT Sectra」(デザイン:Dominik Huber、Marc Kappeler、Noël Leu、Grilli Type社、2014年) スイスのジャーナリズム雑誌「Reportagen」のためにデザインされたもの(grillitype.com/www.moire.ch) grillitype.com/www.moire.ch 「Akkurat」(デザイン:Laurenz Brunner、Lineto社、2004年) 書体「Akkurat」は、スイスのロングセラーである「Helvetica(ヘルベチカ)」に似ているが、小文字の「g」が「2階建て」である(ループの付いた一つの円ではない)こと、Lの小文字「l」の下方に右向きのセリフあるいはテールが付いていること、数字の「4」がオープン型(垂直線と対角線が交わらない)であること、数字の「1」の上部がまっすぐ(カーブがない)であることなどの相違点がある(etudes-studio.com) etudes-studio.com 「Akkurat」 2013年にフランクフルトで開かれたB3ムービング・イメージ・ビエンナーレのポスター(デザイン:Nikolas Brückmann, Yuriy Matveev und Klaus Hesse、Institut für neue Kommunikation社) Nikolas Brückmann, Yuriy Matveev und Klaus Hesse / Institut für neue Kommunikation 「SNV」(Schweizer Nationaler Verkehrsschrift/スイス交通標識用書体) 1989年撮影の、ダヴォス・ヤコブスホルンにある道路標識。スイス国内の道路標識は2003年に「SNV」から、書体「ASTRA-Frutiger」に変更された(Albert-Jan Pool/http://www.flickr.com) Albert-Jan Pool 「GT Haptik」(デザイン:Reto Moser、Tobias Rechsteiner、Grilli Type社、2010年) アートシーン・チューリヒ展(Kunstszene Zürich)用に制作されたバッグ。「GT Haptik」の大きな特徴は、大文字と数字が、目を閉じていても触れれば読めるように工夫されていること。「R」と点の付いた「0(ゼロ)」に注目(buero146.ch) buero146.ch 「Relevant」(デザイン:Michael Mischler、Nik Thoenen、Binneland社、2007年) ソーシャルネットワーク現象を映し出すFAQ(よくある質問)。この50枚のポストカード入り出版物は、バーチャルな出会いの世界を考察し、「読者の微笑を誘いつつ、人生について考えさせる」。書体「Akkurat」の「g」と比較してみよう。「a」もまた「1階建て」だ(www.faq-projekt.net/hahn-zimmermann.ch) www.faq-projekt.net/hahn-zimmermann.ch 「Simplon Mono」(デザイン:Emmanuel Rey、Swiss Typefaces社、2011年) 数字のゼロには、何も付いていないもの、ドット付きのもの(GT Haptik参照)、または「Simplon Mono」のようにスラッシュ入りのものがある(proxyventures.com) proxyventures.com 「New Paris Skyline」(Swiss Typefaces社、2014年) ドイツ・ルール地方の工場跡地で3年ごとに開催される「演劇・音楽・ダンス・インスタレーションとその他」のためのイベント、第5回ルール・トリエンナーレで見かけたバッグ。書体の説明には、「表情豊かで曲線的、華やか。すぐに認識できる書体」とある (basedesign.com) basedesign.com 「Simplon Norm」(デザイン:Emmanuel Rey、Swiss Typefaces社、2011年) ヌーシャテルの現代美術画廊「ギャラリーC」のポスター(スクリーン印刷)(www.onlab.ch) www.onlab.ch. 「Suisse International」(デザイン:Ian Party、Swiss Typefaces社、2011年) 書体ファミリー「Suisse」は、「Suisse Works」(ローマン体)、「Suisse International」(サンセリフ)、「Suisse Neue」(ライトウエイトのセリフ)、および「Suisse Sign」で構成される。「PLATFORM」とは、ミュンヘン南部の工場跡地にある建物のフロア2千平方メートルを使ったあるプロジェクトの名前。カルチャーイベント用にスペースを提供し、文化とビジネスの交流を図る(http://www.mirkoborsche.com) http://www.mirkoborsche.com. 画像 1 画像 2 画像 3 画像 4 画像 5 画像 6 画像 7 画像 8 画像 9 画像 10 画像 11 画像 12 スイス・スタイルの活字書体には様々な形やサイズがあり、道路標識、ポスター、バッグから雑誌に至るまで、幅広い分野でグラフィックデザイナーに活用されている。 このコンテンツが公開されたのは、 2015/09/09 11:00 swissinfo.chの記者との意見交換は、こちらからアクセスしてください。 他のトピックを議論したい、あるいは記事の誤記に関しては、japanese@swissinfo.ch までご連絡ください。 続きを読む 次 前 おすすめの記事 存在感たっぷりの3D看板デザイン このコンテンツが公開されたのは、 2019/03/28 私たちは看板に囲まれて生きている。標識や看板は人々に居場所を示し、建物にアイデンティティを与える。チューリヒ・デザイン美術館で開催中の「3D-Schrift am Bau(建物の3D文字)」は、スイスの看板デザインの今を映し出す。 もっと読む 存在感たっぷりの3D看板デザイン
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