摘み取られたばかりのシャスラ種ブドウ。ラ・メゾン・カレでこれから圧搾する
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ブドウの皮から色素やタンニンを溶出させる「マセラシオン(醸し)」にかける
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マセラシオンの過程では、ドライアイスが適温を保つのに役立つ。英語で「cold saking」とも呼ばれる
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マセラシオンのタンクから圧搾機へ
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この圧搾機で唯一近代的なのは手作りの床だけ
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垂直型圧搾機はモミの木でできている。圧搾しやすく、翌年の収穫までに十分乾燥する。プレス板をどうブドウに当てるか、きちんと順序が決まっている
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左)オヴェルニエにあるペロシェ家のブドウ畑。右)圧搾機に使うブナ材を運ぶ
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プレス板の上に木材の重しを置く
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圧搾作業はゆっくりと進む。果汁がじわじわと圧搾機の下から染み出し、オーク材のワイン樽に注がれる
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空になったカゴは良く洗った後、次の収穫に向けワイン畑に運ばれる
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圧搾機は2008年に刷新されたが、昔ながらの構造のままだ
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ブドウ果汁を抽出。ペロシェ家が生産する白ワインは年間およそ3万2千本
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ブドウの搾りかすは小分けされる
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搾りかすはブドウの皮や種、茎、果肉を含む。マークと呼ばれ、ブランデーやスピリッツ、肥料に使われることが多い
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甘いブドウ果汁はやがて白ワインに変身する。スイス原産ワインの出来上がりだ
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有機栽培のブドウを使ったオーガニックワインの人気が高まるなか、スイスでは代々伝わる製法と組み合わせて有機ワインの生産に励む人々がいる。ワイン醸造家のジャン・デニス・ペロシェさんもその1人だ。
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マルチメディア・チームの一員として、写真編集、写真選定、エディトリアルイラストレーション、ソーシャルメディアなど、画像全般を担当。
1997年から2002年までチューリヒとロンドンでグラフィックデザインを学ぶ。それ以来、グラフィックデザイナー、アートディレクター、フォトエディター、イラストレーターとして働く。
ペロシェさんはスイスのバイオダイナミックワインの生産者として名を知られるようになった。バイオダイナミック農法は、天体の動きに合わせて種まき・収穫する有機農法の一つ。オーガニックワインの普及にも尽力しているペロシェさんは、2012年に妻・息子と一緒にバイオダイナミックワインの生産を始めた。健康と環境に良いと考えたためだ。
ペロシェさんが代々引き継いだブドウ畑「ドメーヌ・デュ・ラ・メゾン・カレ外部リンク」は、スイス西部・ヌーシャテル市に程近いオヴェルニエにある。秋が訪れ、寒冷な気温でスイス原産のシャスラ種が傷む前に収穫を済ませる。
ワイン作りに使うのは先祖7代に渡り受け継いできた伝統的な製法と道具だ。ペロシェさんは、自分の成功は1827年にワイン作りを始めた先祖が遺したノウハウのたまものだと考える。1872年から使っているブドウの圧搾機は、オヴォルニエ産シャスラ種を上手く搾るには欠かせない。
伝統的な製法とバイオダイナミック農法を組み合わせたワイン作りにペロシェさんは情熱を注ぐ。カギとなるのは月のリズムを見る太陰暦や薬用植物の応用。「こうした製法でワイン作りが簡単になるわけではありませんが、とてもワクワクしますよ!私たちにとって、このやり方は私たちの土地と栽培の将来そのものであり、ブドウやその維持管理に資するものなんです」
半分は地元で消費
スイス産ワインは総生産量の2%しか輸出されていない。オーガニックワインはまだニッチ産業だが、環境に対する意識の高まりからオーガニックワインを選ぶ人は増えている。2017年のオーガニックワインの売上高はおよそ3600万フラン(約42億円)と、前年から8.4%伸びた。
ペロシェ家が生産するワインは年間約7万本。その5割はヌーシャテル州内で消費され、ドイツ語圏に3割、2割は他のフランス語圏に運ばれる。1~2%は日本や米国、北欧に輸出している。
(英語からの翻訳・ムートゥ朋子)
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