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愛知万博 シュミット大統領がスイスデーを開幕

この日のためにスイス軍から吹奏楽隊が万博を訪問。「サムエル・シュミット・マーチ」を演奏した。 swissinfo.ch

愛知万博におけるスイスデーが祝われた15日、サムエル・シュミット大統領がスイス館を訪問しスイスデーの開幕演説を行った。

演説の中でシュミット大統領は、現在のスイスの特徴である飛躍性と革新性をうたい、愛知万博のテーマである環境にも触れ、環境保護の大切さも強調した。

スイスからは連邦議会外交委員会、教育・科学・文化委員会の代表をはじめ上・下院議員らのほか、日本関係者などが参加。およそ1,000人が集まった開幕式でシュミット大統領は、イギリス人の哲学者フランシス・ベーコンを引用し演説を行った。愛知万博のテーマである「自然の叡智」を念頭に「自然を手なずけるためには、われわれは自然に耳を傾けなければならない」と語り「今日の人類に求められていることは、これほど進歩した技術をまだ未開発の部分に利用していくことにある」とした。

日本におけるスイスのアピール

 シュミット大統領は今回の日本訪問で、「今のスイスをアピールする」ことが使命だとしている。「スイスには飛躍性があり、革新的である。一方で環境保護にも大きく貢献しているということを日本の皆さんにも知ってほしい」と演説の中で語った。

 スイスの大統領の日本訪問は、昨年10月のジョゼフ・ダイスに次いで2度である。一年間に二人の大統領が日本を訪問するほど、日本へのスイスの思いは熱い。スイスはハイジ国というイメージを払拭し、「ハイテクのスイス」をアピールするのに二人の歴代の大統領は心を砕いている。スイスと日本が経済的にも深い関係で結ばれることをスイス側が強く望んでいるためである。

スイス館の人気

 さて、愛知万博が開幕して3週間。スイス館の人気が話題となっている。スイス館のあるグローバルコモン4は、万博会場の南の端っこにある。その中で唯一、入り口で行列ができるのはスイス館だ。一日に訪れる見学者はおよそ5,000人。愛知万博全体で1,500万人の入場者を見込んでいるが、1割の100万人から150万人がスイス館を訪れるだろうと予想されている。

 「スイス館は愛知万博を訪問する人たちの中で関心事となっている。日本のテレビではラクレットや、スイス館の山が見られるテラスの映像が主に流れているが、人気の理由はオーディオガイドだろう」と総括責任者のマヌエル・サルクリ氏。オーディオガイドは軍隊が使っていた懐中電灯を改造して作った。展示物に懐中電灯の光を当てると説明が流れるようになっている。

 「日本人は詳細にわたって知りたがるので、スイスのスタッフが日本語で説明すると喜ぶ」とスイス館を運営していくにつれて、新しい発見があった。また「展示場にはグループごとに案内されることも気に入られている要因だ」と日本語学を大学で学びスイス館のスタッフとして働くクレリア・カナイさんは分析してみせた。

 ひとまず人気を博したということで、スイス館は胸をなでおろしている。9月25日まで、多くの人たちがスイス館を訪れ続けることを期待したい。

swissinfo クリスティアン・ラーラウフ(愛知万博会場にて)

世界博覧会の歴史
1851年ロンドンが始めて万博を開く
以後
1970年 大阪万博
1992年 セビリア万博
1998年 リスボン万博
2000年 ハノーバー万博
2005年 愛知万博
2010年 上海万博が予定されている。

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