一風変わった環境に優しい方法で、これまでに2度、世界一周を達成しているベルトラン・ピカール氏
© KEYSTONE / JEAN-CHRISTOPHE BOTT
アルプス地方では最大級の「国際熱気球フェスティバル」第41回が、1月26日~2月3日までスイス・ヴォー州シャトーデーで開催中だ。熱気球で初めて無着陸の世界一周を達成した快挙から20周年を祝い、スイス人冒険家ベルトラン・ピカール氏らによる新レースの発表など、特別イベントも行われる。
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熱気球による初の世界一周無着陸飛行は1999年3月、スイス人冒険家のベルトラン・ピカール氏と英国人で副操縦士を務めたブライアン・ジョーンズ氏が21日間かけて達成。スイスのシャトーデーはその時の出発地だった。
その17年後、ピカール氏は「ソーラーインパルス2(Si2)」と呼ばれる太陽光エネルギーだけで飛ぶ電動飛行機に乗り、世界一周を達成。環境に優しい飛行手段の認知向上に貢献した。
ピカール氏とジョーンズ氏はフェスティバル外部リンクに参加するため26日に現地入りした。最先端技術を使った新しい気球レース「ピカール・ジョーンズ・エコ・トロフィー(Piccard-Jones Eco Trophy)」の実施を発表する。
シャトーデーはスキーリゾートとしても知られ、同フェスティバルは観光客も多く訪れる。
第41回目となる今年は、世界中から熱気球70機が参加。近年の来場者数は、毎年1万人以上を記録している。フェスティバルは「ナイト・グロー(Night-Glow)」と呼ばれる音、光、サウンド、花火を使ったショーで最終日の夜を締めくくる。
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ヴォー州のスキーリゾート地、シャトーデーで開かれる熱気球フェスティバルは、アルプス地方の熱気球イベントとしては最大だ。この時期、地元のホテルの宿泊数は年間の約15%に相当し、この熱気球フェスティバルは、オフシーズン中の観光を促進するメインイベントとなっている。
実はスイスは、熱気球とは長い歴史的なつながりがある。過去に大きな影響を与えたのは同じ家系のスイス人科学者2人だ。まず、1932年に物理学者、発明家、そして冒険家のオーギュスト・ピカール氏が、世界で初めて熱気球の有人飛行による成層圏到達を成し遂げた。そして合計27回の熱気球飛行と、最終到達高度2万3千メートルの記録を打ち出した。
99年にはその孫にあたるベルトラン・ピカール氏と英国人バルーニストのブライアン・ジョーンズ氏が、熱気球「ブライトリング・オービター3」に乗り、無着陸で世界一周飛行を達成した。
だが、熱気球パイロットの資格を取得するには、およそ1万5千フラン(約170万円)がかかる。若者にとっては少々高いハードルだ。スポーツとしての熱気球の将来性はあるのか。シャトーデー国際熱気球フェスティバルを取材した。
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