この写真集は、ゲヒター+クラーゼン写真スタジオに所蔵されていた写真を集めたものだ。チューリヒにある美容院Elsässer&Cieが依頼した写真たちだ。
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1965年スイス生まれ。チューリヒで写真を学んだ後、1989年からフォトジャーナリストとして活動。1990年、スイス人カメラマンの代理店Lookat Photosを設立。世界報道写真財団(オランダ)の世界報道写真コンテストを2度受賞したほか、スイスの奨学金を多数獲得。その作品は多くの展覧会やコレクションで紹介されている。
Gaechter+Clahsen(写真)&Thomas Kern(本文)
最も古いのは1970年代、最新は1990年代の写真だ。撮影したのはある写真家デュオのスタジオで、後にチューリヒで流行の女性ヘアカタログ誌の表紙を飾った。
世界的な大ブランドが最新コレクションを披露するファッションショーと同じようなタイミングで、若い女性モデルたちはElsässer外部リンクに駆け付け最新のヘアスタイルに変身。その足で写真スタジオに移り、撮影に臨んだ。
それらはごく一般的な消費者に向けた写真だ。質の高いものには喜んでお金を払い、値切り交渉もしない。最高であればそれで満足だった。
カメラマンのゲヒター+クラーゼン自身も同じような精神を持つ世代の代表者だ。彼らにとって写真は技術的な能力、注意深さ、実質的な正確さを要する工芸品であり、依頼主と顧客に捧げるべきものだ。ここでの芸術家はカメラマンではなく、美容師なのだ!
永遠の冠
写真コレクションはタイムカプセルだ。過ぎ去った時代はすぐには目に見えないが、常に感じることはできる。その主役はウェーブや段カット、スライス、シャギーの入ったヘアスタイルで、それが最も大事なのだ。
髪は頭を保護する役割を持つのと同時に美しさを担う。長い巻き髪でごまかすこともできれば、アンテナのように性的な魅力を放つこともできる。健康で輝く髪は美しさのシンボルの1つとみなされている。
この写真集の題名「Fünf Finger Föhn Frisur外部リンク(仮題:五本指とドライヤーと髪型)」はちょっとした謎を残す。写真はペーター・ゲヒター(1939年)とベッティナ・クラーゼン(1941年)が撮影し、本文はチューリヒの美術史研究家イエルグ・シェラー外部リンクが執筆した。9月4日午後7時から、チューリヒのリマート通り268にあるパトリック・フレイ出版で出版発表会が開かれる。
(独語からの翻訳・ムートゥ朋子)
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