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アメリカの航空写真が捉えた終戦直後のスイス

第二次世界大戦の終戦直後、米空軍は平和目的でスイス上空からの航空写真を撮影した。

終戦後、米英間で航空業に使うための欧州全土の地図を作る計画が立てられた。米国大使館からスイスも撮影対象に含まれると知らされた時、スイス空軍は意義を唱えなかった。だがスパイが飛行機に同乗するのではないかという疑念を晴らすために、スイスの6千~8千メートル上空を飛行することを条件とした。

兵器からカメラへ

爆撃機から兵器が外され、代わりに2台のカメラとファインダーが機体の床に取り付けられた。ドイツのアウグスブルクを起点に、まず西から東へ、そして逆方向にスイス上空から撮影した。雲のない34日間に、4200枚もの写真が撮影された。うち530枚は1946年7月のある1日で撮られた。撮影地域は1万7千平方キロメートルにわたる。

スイスの飛行士たちは、アメリカ人が最新の技術を使っていることに驚いた。スイス連邦地理局外部リンクはまだガラス板を使っていたが、米国は23×23 センチサイズの写真を自動的に撮るカメラを使用していた。スイスとの合意に従って、米国はプロジェクトの終了後に64巻をスイスに贈呈。それぞれネガとポジの複製を1枚ずつ添付した。

(英語からの翻訳・ムートゥ朋子)

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SWI swissinfo.ch スイス公共放送協会の国際部

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