不確かな将来に直面する教会
バーゼル近郊にある大聖堂を訪れると、どのように信仰が実践されているのかを垣間見ることができる。だがスイスを含め西洋では、人々の教会離れが進んでいる。
連邦統計局によれば、スイスでどの宗教にも属さないと答えた人の数は、2000年~16年の間に13.5%増加。だがスイス北部のアーレスハイムのような地域では、ある程度の困難な状況は見られるものの、教会や礼拝が今でも地域社会の一部になっている。
アーレスハイムの大聖堂は、バーゼル教会のサテライト教会として1680年代に建てられた。バロック期にロココ調に修復された外観や内部建築は素晴らしく、地元を代表する歴史的建造物になっている。教会のオルガンは著名な製作者、ヨハン・アンドレアス・ジルバーマンの手によるもので、その格別な音色は世界中で高い評価を受けている。
今年の10月半ば、アーレスハイムとその隣町のミュンヘンシュタイン教区は新しい牧師、シルベスター・イフオマ牧師を迎えた。この牧師はナイジェリアの出身で、ヨーロッパに住んで26年になる。スイスに来る前は14年間ドイツのアフリカ教区を導いていた。今回、特別礼拝での正式な任命を受けて着任した。
聖職者不足
この二つの教区のように専任の牧師を雇うことができるのは、もはや当たり前だと言えなくなっている。カトリックもプロテスタントも、聖職者不足に悩まされているからだ。
定年する牧師が多いため、新たに牧師になる人が必要とされている。ドイツ語圏の主要紙NZZによると、スイスで現在活動している牧師の3分の2は、2032年までに定年を迎えるという。神学部で学ぶ学生は、退職する牧師の数を補えるほど多くはない。
ここ数年、スイスの教会は隣国ドイツから聖職者を迎えることも多くなっているが、それも長くは続かないだろう。定年退職者が増えているのは、ドイツも同じだからだ。そこでプロテスタント教会は、転職を考えている人に呼びかけて牧師不足を解消しようと考えている。
転職して牧師になりたいと希望する30~55歳の大卒者を対象にした短期の牧師養成コースを設けたり、卒業後の選択肢として神学を奨励するために、高校で特別活動週間を開いたりもしている。
信仰を取り巻く各国の様子
教会を取り巻く状況は、西欧諸国ではどのようになっているのだろう?ポーランド、カナダ、チェコ、ルーマニアの公共放送メディアから、各国での宗教的な儀式の様子が寄せられた。
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国民の93%がカトリック教徒。だが教会に通う人は過去数十年間で36%減少。それでもなお日曜日の礼拝は多くのポーランド人にとって重要な生活の一部になっている。
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北米先住民モホーク族の女性、カテリ・テカクウィタ(1656~1680)は、モントリオール近郊カーナワケの先住民族クリスチャン共同体のメンバーだった。2012年に、北米先住民としては初めて、ローマカトリック教会から聖人に列せられる。今年10月には、カーナワケの聖フランシスコザビエル教会で列聖6周年を記念する礼拝が執り行われた。モホーク語で歌われる聖歌や祈りの言葉も聞かれる。
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チェコは世界で最も宗教人口の少ない国の一つで、宗教人口は過去20年間で半減。何らかの宗教団体に属する人は、わずか5人に1人。そのうち定期的に(月に1回以上)教会に通う人は10人に1人。ローマカトリック教徒が最も多い。
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最新の国勢調査では、86.5%がキリスト教正教徒だと回答。調査では、世界遺産のフレスコ画で覆われたブコヴィナ地方の数百年の修道院や、首都ブカレストの大聖堂、北部マラムレシュ地方の小さな木造教会などで執り行われる多様な正教会礼拝を、ルーマニア国際放送が取材した。
共同プロジェクト「The Sounds of…」
スイスインフォは、メディアパートナーであるポーランド公共ラジオ(Plskie Radio)、ラジオ・カナダ・インターナショナル(Radio Canada International)、ルーマニア国際放送(Radio Romania International)、ラジオプラハ(Radio Prague)との共同プロジェクト進行中。各放送局が4カ国で様々に異なる伝統的な礼拝を紹介するビデオを制作した。
(英語からの翻訳・由比かおり)
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