スイスインフォが誕生したのは20年前。その前は70年間、短波ラジオとしてこの世に存在していた。
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2019/11/04 11:00
1930年代半ばから2004年まで、スイスの国際ニュースはスイス国際放送(SRI)が放送していた。最初の数十年は短波ラジオの全盛期だった。外国のニュースを仕入れる唯一の手段だったからだ。
SRIの歴史は、冒頭の動画で何が語られているかを知る手がかりの一つとなる。
スイス短波サービスが始まったのは1935年。当初ドイツ語、フランス語、イタリア語、英語だけだった言語はその他の欧州言語やアラビア語が加わり、スイス国際放送に社名を変えた。
スイス国際放送は戦時中、中立のメディアとしても重宝された。第二次世界大戦を始め、冷戦や1990年代の湾岸戦争中も存在感を発揮した。
それはスイスの短波放送の終わりの始まりでもあった。国際ニュースは衛星放送が取って代わり、さらにインターネットに移行。1999年にスイスインフォのウェブサイトが誕生した。
≫スイスインフォの誕生
2004年、予算削減の一環としてSRIスタジオの電源は落とされたが、スイスインフォは残った。現在はウェブサイトだけでニュースを発信。言語はロシア語や日本語、中国語が加わり、動画やオーディオのコンテンツも増やした。
10言語の各編集部の記者たちが互いに意見を出し合って編集方針を決め、記事が世界のどの国でも同じように理解されるために必要な情報を提供している。
共同プロジェクト「The Sounds of…」
スイスインフォは、メディアパートナーであるポーランド公共ラジオ(Polskie Radio)、ラジオ・カナダ・インターナショナル(Radio Canada International)、ルーマニア国際放送(Radio Romania International)、プラハ国際ラジオ(Radio Prague International)との共同プロジェクトを進行中。今回は、各放送局がラジオ放送を紹介するビデオを制作した。
他国の歴史的なラジオの記録はこちら。
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