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要らなくなったCDや電池、どうしていますか?

使用後の電池の回収場所は大手スーパーも整えているが、違法廃棄もまだ多いよう Keystone

年の暮れ。新年を目前に、日本では各家庭が家中の埃を払い、要らなくなった物を処分する季節だ。

スイスでは春の大掃除が習慣となっているが、年末になると地方自治体から各世帯に来年の分別ごみ収集予定表が送られてくる。ここには生ごみから古タイヤまで、ごみ分別に関する説明書も同封されている。

リサイクル大国

 スイスはごみの分別やリサイクルに大変熱心な国だ。連邦環境省環境局  ( BAFU/OFEV ) の今年7月の発表によると、使用済みアルミ缶の2009年の回収率は91%、空き瓶の回収率も95%に上った。ペットボトルも81%がリサイクルされている。

 これらの分別は広く浸透しているが、特別廃棄物にはほかにどんなものが含まれるのか、住民は果たして正しく理解しているのだろうか。そして、それらの特別廃棄物はどう処理すればいいのだろうか。

 チューリヒ市の説明書を見ると、家庭のごみ袋に入れてはならないものに、染料、鏡、省エネランプ、医薬品、洗浄剤、レントゲン写真、スプレーなどの名前が連なっている。塗料には毛染め染料なども含まれ、容器の中に残ったものは別途処理しなければならない。

 各地方自治体はこのような特別廃棄物の収集場所を用意しており、住民は古い油、化学薬品、毒物、発泡スチロール、車のバッテリーなどを持っていくことができる。これらの廃棄のほとんどは無料だ。

 古くなった電気製品、蛍光灯、スポーツ器具などは、家電店へ持っていく。これらは後にリサイクリングに回されるが、その手数料は購買価格にすでに上乗せされているため、引き取りは無料。CDやDVD、ケーブルもごみ箱には捨てずに店に返却するべき消費財だ。期限切れの医薬品は薬局や医師の元へ持っていけば、やはり無料で引き取ってくれる。

違反はほぼなし

 チューリヒ州建設省ごみ処理課のアロイス・フィリガー氏は、特殊廃棄物が一般ごみとして捨てられることはほとんどないと言う。州は住民の意識を高めるために種々のパンフレットを取り揃え、チューリヒ市ではさらに年に10回から12回、路面電車 ( トラム ) でも特別廃棄物や家電を収集している。自家用車を持たない住民にはありがたいサービスだ。これらの策が功を奏しているとフィリガー氏はみている。

 ごくまれに違法処理が発見されるが、

「スイスでは2005年以降、特別廃棄物は埋め立てず、すべて焼却されている。そのため、ごみ袋に少しばかり特別廃棄物が入っていても環境にはほぼ影響はない」

 ということだ。

 バーゼル・シュタット準州環境・エネルギー局ごみ課のゲルトルート・エンゲルハルト氏の見解もほぼ同じ。

「違法処理のチェックは非常に難しく統計もないが、問題はほとんど見つかっていない。医薬品やペンキの残り、電池などが家庭用ごみ袋に入っていることがあるが、例外的」

 と総括する。

規制の緩和

 しかし、一方で次のような意見も聞かれる。

「今でも使用済み電池の3分の1は家庭ごみとして捨てられている。電池にはマンガン、亜鉛、鉄、鉛、水銀、ニッケルなどの貴重な資源が残っている。手間隙をかけてリサイクルすれば、絶対に天然資源や自然の保護に役立つ」

 これは、今年6月に開かれた特別廃棄物会議で、バトレック・インドストリー ( Batrec Industrie ) 社のハンスイェルク・フォン・グンテン氏が行った指摘だ。同社は、家庭で使用される電池のリサイクルを専門に行っている。会議にはスイスの官庁、廃棄やリサイクルの関連企業および団体から150人以上が参加した。

 さらに、廃棄の仕方がはっきりしないものもある。エンゲルハルト氏は

「スプレーについては内容物によって廃棄の仕方が異なり、はっきりと伝えにくい」

 と漏らす。どくろのマークがついた毒性のあるものは特別廃棄物収集場へ持って行くなどしなければならないが、ヘアスプレーなどはそのままごみ袋へ捨ててもかまわないという。

 また、チューリヒの日刊新聞「ターゲス・アンツァイガー ( Tages Anzeiger ) 」の報道によると、2008年11月に連邦規則が変わり、200グラムまでの少量ならマニキュアの除光液や毛染め染料、芳香油、接着剤、医薬品もごみ袋に捨ててよいことになった。フィリガー氏が「市民の違反はほとんどない」と言うのは、この規則緩和のおかげもあるのかもしれない。

2009年末現在、ペットボトルはスイス全国2万9000カ所で回収。1000人に1カ所の割合。

2007年から2009年の間に2600以上の回収場所が企業やレジャー施設などに新たに設置され、回収率が3%改善された。

2009年に飲料水の容器に使用された原料は30万4505トン以上。リサイクルされたビン、ペットボトル、アルミ缶の合計は最低28万2327トン。

古紙は新聞などの紙類と段ボールとに分ける。

古紙回収に出せるのは、表紙を取り除いた本、封筒、電話帳、新聞、雑誌。

本の表紙、段ボール、紙切れ、紙袋、プラスチックフィルムが貼られた紙、汚れた紙、テトラパックなどは出してはならない。

段ボールの回収には、卵や果物用厚紙製容器、段ボール箱、選択洗剤の箱(取っ手を除く)を出すことができる。

これらは定期的に地方自治体が回収に当たる。

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