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模範的民主主義国家としての台湾

この30年間で、台湾は模範的な民主主義国家へと発展した。これは、厳しい透明性規制のある選挙運動だけでなく、学校でも見ることができる――中国政府の圧力にもかかわらず、あるいは圧力があったからこそ、だ。

グーグルにとって、台湾が「東アジアの国」であることは明らかだ。しかし現実はこのインターネット検索エンジンが出す結果よりもはるかに明確さに欠ける。台湾は厄介な状況にある。スイス連邦外務省は「台湾(チャイニーズ・タイペイ)」という表記を使っている。

台北は台湾の首都だ。約2400万人がアジアで最も民主的制度の発達したこの国に住む。

スイスは台湾を国家として承認していない

スイスは台湾を国家として承認していない。1949年以来、中華人民共和国が台湾の領有権を主張している。現在、台湾を正式に国家として承認しているのは、グアテマラなど十数カ国だけだ。

スイスはその中には入っていない。しかし、2つの民主主義国家には多くの共通点がある。例えば、台湾は過去20年の間に国民投票を導入し、直接民主主義の手段を培ってきた。

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中国から締め出される外国メディア 出ても残ってもいばらの道

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国の立場が不安定な状況であるにもかかわらず、台湾は民主主義を着実に拡大してきた。

現在では、政治教育などの分野で模範的な国とみなされている。また、自国の制度に対する信頼度は高く、台湾の90%の人々が民主主義を支持している。

台湾は「世界の安定」のために重要

地政学的にも経済的にも大国である中国との外交関係を維持したいのであれば、台湾を独立国家として承認することはできない。

何倍もの国土を持つ中国が、中国と台湾は不可分の領土であり、台湾は中国の一部であるという「1つの中国」原則を主張しているからだ。このため台湾は50年以上、国連非加盟だ。

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解説:なぜ台湾は世界にとって重要なのか?

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とはいえ、台湾は世界的に重要な国だ。台湾は半導体、つまりマイクロチップ生産の世界市場を支配している。チューリヒ大学のシモーナ・グラノ氏によれば、台湾は「世界的なサプライチェーンと海上貿易ルートの中心に位置する地政学的な場所」でもある。

中国の台湾沖での軍事行動は、台湾のみならず世界的な懸念を引き起こしている。グラノ氏は、現状維持が「世界の安定」にとって極めて重要だと考えている。

軍事独裁政権から模範的民主主義へ

ここ数十年、台湾は世界的なイメージ転換の切り札も手に入れた。かつて軍事独裁政権下にあった国が、いまや模範的な民主主義国家となっているのだ。

グラノ氏は言う。「イデオロギー的に台湾は重要だ。それは西洋の価値観や民主主義は中国の文化や土着の価値観とは相容れないという中国の主張に反しているからだ」

1990年代初め、当時まだ若き民主主義国家であった台湾では、票の買収が日常茶飯事だった。これは劇的に変化した。現在では、厳格な透明性規制と献金上限が設けられている。

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政治献金の透明化は諸刃の剣?

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開かれた社会におけるフェイクニュース対策への取り組み

開かれた社会には信頼できる情報が必要だ。台湾や米国のような地政学の中心にある民主主義国家は、特にフェイクニュースのリスクにさらされている。

誤解を招くようなイメージやフェイクニュースが意図的に流布されているのだ。これに対抗するため、台湾では台湾ファクトチェックセンターのような数十の専門組織ができた。同センターでは、数十人のジャーナリストが情報操作の実態を暴き、それについて公的機関やメディアに警告する。

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偽情報と闘う台湾 世界が学べることは何か?

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民主主義国家はまた、国民が十分に政治的な情報提供を受けているかどうかがカギとなる。台湾は政治教育を非常に重視している。公民・政治教育は全国の学校で必修科目となっている。

例えば台南第一高級中学校(高校)では、生徒が選挙管理委員会を選出し、校内の設備問題などについて投票で決める。

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遊び感覚で学ぶ民主主義 台湾の学校がスイスと異なる点

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こうした教育のおかげで台湾の学生に深い政治理解が根付いていることは、ある広範な国際比較研究でも明らかになっている。

不安定な状況がこのような発展を促したかどうかは別として、台湾は今や民主主義の先進国だ。「チャイニーズ・タイペイ」の現状が続くならば、次世代の市民はより民主的な手段を身につけることになるだろう。

しかし、この台湾という言葉はどこから来たのだろうか?

「チャイニーズ・タイペイ」という言葉は、もともとローザンヌに本部を置く国際オリンピック委員会から生まれた。1979年に名古屋で開催されたIOCの理事会で、中国の参加を認め台湾を「チャイニーズ・タイペイ」と呼ぶ決議が採択されたことがきっかけだ。それ以来、台湾代表団は「チャイニーズ・タイペイ」としてオリンピックに参加し続けている。

編集:Mark Livingston、独語からの翻訳:宇田薫、校正:大野瑠衣子

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