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挙手で投票 スイス最古の青空議会、今年はネット中継

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グラールス州の旗(左)とアッペンツェル・インナーローデン準州の旗。スイスでランツゲマインデ(青空議会)が今も開かれているのは、この2州だけだ © Keystone / Gian Ehrenzeller

アッペンツェル・インナーローデン準州は毎年4月末、野外広場に住民が集まり挙手で投票する昔ながらの「ランツゲマインデ(青空議会)」を開くが、28日はその様子を初めてインターネット中継する。今年秋のスイス連邦議会総選挙を控え、同州ではこの日、国内でいち早く全州議会(上院)の議員選挙が行われる。

ネット中継という「技術革新」は、伝統的かつ厳かなランツゲマインデ外部リンクを揺るがすものではない。アッペンツェルと同様、ランツゲマインデが唯一残るグラールス州に触発され、アッペンツェル政府もこの新しい手法を導入した。

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最高の民主主義? アッペンツェルのランツゲマインデ

このコンテンツが公開されたのは、 スイス北東部のアッペンツェル・インナーローデン準州では、年に1回、4月の最終日曜日に有権者が野外広場に集まり、法律改正の是非や州議員の選出を挙手で投票する伝統的な「ランツゲマインデ(青空議会)」が開かれている。直接民主制の最も古いスタイルで、スイスでは同州とグラールス州の2カ所だけでしか見られない。どれほど民主的な制度なのか、今年のアッペンツェル・インナーローデン準州でのランツゲマインデを取材した。

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しかし、州政府は依然として慎重だ。政府は声明外部リンクで、28日のライブ中継は「実験」に過ぎないと述べた。「広場に来られない市民が、州のサイト外部リンクを通して議会に出席できるようにする」。それが政府の狙いだという。

州政府は、昨年導入したもう一つの試験的プロジェクトを今年も実施する。それは聴覚障害者向けの手話による同時通訳だ。ただ前回の利用者は少なく、アッペンツェル州政府は「今年はもっと利用者が増えてほしい」と期待を込める。

初の連邦議会議員選挙

ランツゲマインデの協議事項は盛りだくさんだ。様々な提案に加え、州政府の閣僚2人と、全州議会の議員1人をここで選出する。全州議会は各州2人、6つの準州は各1人の代表で構成される。現在の候補者は男性2人だ。

アッペンツェル・インナーローデン準州の有権者は1万2千人弱。選挙区としては国内で最も小さい。全州議会議員の選挙はこれまで、4月の最終日曜日に行われるランツゲマインデで投票が行われてきた。

全州議会議員選挙がアッペンツェル・インナーローデン準州でいち早く行われるのは、これが理由だ。他のすべての州は、国民議会(下院)議員選挙と同時に行う。総選挙は4年ごとに行われ、2019年は10月20日だ。

強力な対抗馬

同州では、現職のイヴォ・ビショフベルガー議員(キリスト教民主党)の辞職に伴う後任を決める。前州知事で2012年から国民議会議員のダニエル・フェスラー氏(キリスト教民主党)が当選すると思われていた。

しかし対抗馬が表れた。同じキリスト教民主党員のトーマス・レヒシュタイナー元州財務相だ。ランツゲマインデの3週間前、「将来への展望を持つ市民たち」という団体が同氏を担ぎ出し、キャンペーンを開始した。レヒシュタイナー氏は、この団体の主導者はよくわからないと語ったが、選挙に受けて立つ意向を示した。

アッペンツェル・インナーローデンは準州(州に準ずるという意味)のため、ほかの州のように候補者が事前に推薦されない。候補者は当日、ランツゲマインデで直接出馬することも可能だ。

(独語からの翻訳・宇田薫)

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