アルプスの国、スイスにも35度以上の猛暑到来
6月12日には記録的な暑さとなり、スイス南東部のロカルノではスイス中で一番暑い35,1度、2位はバーセルの34,9度、3位はジュネーブの34,7度となった。スイス各地では6月にもかかわらず連日30度以上の暑さが続いている。
東ヨーロッパを中心に6月上旬から猛暑が続いており、イタリアのローマでは1782年6月来の34,5度が記録されたが、アルプスの国、スイスも例外ではない。チューリヒでは11日、ボン・ジョビのロックコンサートで気を失ったファンが何人も病院に担ぎ込まれた。スイスの何校かの小学校も今年最高記録の12日の午後、「猛暑休校」がヴォー州で実地された。
6月の過去最高記録は ?
スイスの歴史上で一番暑かった年は1921年で、バーゼルで39,3度を記録した。これは真夏の7月28日。6月での最高気温は1947年の38,4度でこれもバーゼルが記録している。スイス連邦気象庁によると、6月が猛暑に襲われるのは始めてではなく、昨年も6月に10日間(14日から23日まで)の猛暑が続いたが、6月の平均では30度を超えるのは通常0,4日である。
猛暑休校制度はあるのか
ヴォー州のニヨンなどで幾つかの学校が12日の午後、「猛暑」のため、休校に踏み切った。ヴォー州では休校は各学校の校長の判断で決められることになっている。もっとも、スイスの法律では「猛暑休校」を実施する制度は今年の5月にバーセル州が28年間前に導入した法案を廃止して以来、存在しない。しかし、このような例外があるのはスイスが連邦制で州(カントン)によって制度が異なることによる。なお、各学校は試験がなければ、課外授業やプールや森への野外学習などを実施することはできる。
スイス全体への影響
ティチーノ州では干ばつ続きで水不足の心配も出てきた。幾つかの市町村では水の節約をするように市民に呼びかけている。ロカルノでは今年の半期(1月〜6月)、通常の降水量の25%しか雨が降らなかったからだ。その他、余りの暑さで上空の大気が乱れヴァレー州やフリブール、ベルンなどで嵐が起こり、雹が降り、ところによっては土砂崩れもあった。
ジュネーブ支局も暑さで故障
スイスインフォのジュネーブ支局でもコンピュータルームの気温が55度から65度にまで上昇し、連日、機械の故障が続いている。北国のスイスでは暑さに対応する整備が整っていないため、冷房のある事務所は少ない。文化遺産に指定されているジュネーブ欧州国連本部の建物には壁に穴を開けられないため、クーラーを取り付けることもできない。国連に支局がある邦人記者の多くはスイス人同様、閉口している。
スイス国際放送、A.Y.
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