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スイス各地で豪雨被害

オルテンでは、アーレ川の水とプールの水が混ざり合った Keystone

河川の決壊、地下室の浸水、道路、鉄道も切断され、多くの住民が避難。スイスは8月8日から9日にかけ、過去2年間で最大の豪雨に見舞われた。

10日は雨上がりを待って、被災者たちが被害の後片付けを始めた。

 ジュラ州では72時間に、1平方メートルあたり150リットルの降雨量を記録。この3日間の雨量は8月の1カ月分の平均的降雨量に匹敵する。チューリヒ市でも24時間に1平方メートルあたり100リットルを記録。これらは過去100年間で最大の降雨量となった。スイスのほかの地域でも、24時間で1平方メートルあたり平均70〜90リットルの豪雨を記録した。

連邦鉄道も各所で不通

 「今回、幸いにも死者は出ず、2005年の大洪水とは対照的」と連邦環境省環境局 ( BAFU/OFEU ) はコメントした。しかし、10数名の負傷者が出ており、モリッツ・ロイエンベルガー連邦環境・エネルギー相は「早期の回復を祈る」と述べた。
 
 連邦鉄道 ( SBB/CFF ) の被害では、スイスの幹線であるベルン・ローザンヌ間が3カ所に渡って切断された。場所はフリブール州のフラマット ( Flamatt ) とロゼ ( Rosé ) 、 ベルン州のトーリスハウス ( Thörishaus ) 。同じくバーゼル・ラント州のラウフォン ( Laufon ) とジュラ州のデレモン ( Delémon ) 間、ヴァレー州シャブレ ( Chablai ) のサン・モウリス ( St-Maurice ) とモンテ ( Monthey ) 間も切断された。

 同じシャブレのヴォー州側の村ロッシュ ( Roche ) は、ここ100年来経験したことのない被害に遭った。道路と3つのキャンプ場は完全に水浸しとなり、水が数台の車を数百メートルに渡って押し流し、3軒の家に穴を空けた。住民は全員避難した。

河川、湖も氾濫

 フリブール州では8日午後5時から、災害対策本部に地下室浸水を訴える何千件もの電話がかかり、消防隊は徹夜で復旧作業にあたった。ジュラ州の被害も大きく、デレモン地区とポレントリュイ地区では、数個の村が停電し、幹線道路が切断された。

 ベルン市では、マット地区がアーレ川の氾濫 ( はんらん ) で水に浸かった。トゥーン湖、ブリエンツ湖、ビール/ ビエンヌ 湖も氾濫した。ヌーシャテル湖は氾濫しなかったが、多くの家で地下室浸水があった。

 9日午後から雨量が減り、河川、湖の水かさは減り始めた。気象台によると、最悪の時期は過ぎたようである。

swissinfo、外電 里信邦子 ( さとのぶ くにこ )

スイス国立ラジオ・テレビ局 ( SRG SSR Idée suisse ) が作った組織「幸福の鎖」はスイス国民に救済金を求めている。

これは6月の豪雨の際に創立されたが、今回の豪雨被害にも有効。ポストの振込み先番号は以下の通り。No 10-15000-6、Intempéries Suisseと明記のこと。

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