スイスの湖でハイテク水中考古学
スイス中央部に位置するルツェルン市は風光明媚な観光地として知られる。しかし、その先史時代の歴史については、まだほとんど分かっていない。謎を解き明かすカギが、同市を取り囲む湖にあるかもしれない。
考古学者たちは長い間、この街の湖岸周辺に杭上住居群が存在していたと推測してきたが、昨年3月の建設工事でそれがついに証明された。湖の底から集落の遺物が初めて発掘されたのだ。
ルツェルン市で駅を地下に建設する可能性が出ていることに鑑み、州の考古学局は今秋、同市の先史時代の集落があった場所を特定するために湖底の調査を行った。計画では湖底の広い範囲を調べることになっていため、スキューバダイバーに代わる手段が必要だった。また、ほとんどの遺物は堆積物に覆われていて、目視できないと考えられた。そこで同局が採用したのが、音波で湖底を調べるソナー技術だった。
この特別なミッションにはルツェルン州考古学局のほか、チューリヒ市水中考古学局とデンマーク・コペンハーゲン大学の専門家が参加。今回の新たな発見は、「アルプス山系の先史時代杭上住居跡群」がユネスコ(国連教育科学文化機関)の世界遺産に登録されてから10年目の節目の年に当たる。
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