スイスの電動飛行機ソーラー・インパルス2が、太陽光エネルギーのみを動力にして世界一周飛行をするという偉業を達成し、このほどスイスに帰郷した。
このコンテンツが公開されたのは、
ソーラー・インパルス2は16カ月をかけて総距離4万キロメートル以上を飛行し、世界で初めて、燃料を全く使用せずに世界一周飛行を達成した電動飛行機となった。ソーラー・インパルス2は2015年3月9日にアラブ首長国連邦アブダビを出発。合計飛行時間は550時間に及び、16年7月26日アブダビに帰還した。
途中で17の経由地に着陸。中でもハワイには、悪天候とバッテリーの故障という技術的な問題のために、15年7月から16年4月まで長期間の滞在を余儀なくされた。
そしてソーラー・インパルス2は22日、アブダビから大型貨物機ボーイング747に乗せられチューリヒ州デューベンドルフの軍用飛行場に到着し、故郷への帰還となった。
ソーラー・インパルス・プロジェクトの費用総額は1億7千万フラン(約187億円)。多くのスポンサーやパートナー企業が出資し、スイス政府からも空軍基地2カ所の使用許可などの援助が得られていた。
ソーラー・インパルス2はこれまでに、ソーラー機としては初めての夜間飛行や太平洋横断を含む大陸間飛行に成功し、太陽光エネルギーのみを動力とした飛行における最長時間・最長距離記録を更新した。また、スイス人操縦士のアンドレ・ボルシュベルクさんは、117時間という世界最長の単独連続飛行を達成した。
(映像・スイスインフォ 文・Carlo Pisani 翻訳・由比かおり)
(英語からの翻訳・由比かおり)
続きを読む
おすすめの記事
無音の空中遊泳 スイスで欧州初の電動飛行機ショー
このコンテンツが公開されたのは、
スイス北部のソロトゥルン州グレンヒェン近郊で9月、電動飛行機やハイブリッド飛行機が一堂に会する欧州初の飛行ショー「スマートフライヤー・チャレンジ」が開かれ、最新のテクノロジーを駆使した機体がスイスの空を舞った。
もっと読む 無音の空中遊泳 スイスで欧州初の電動飛行機ショー
おすすめの記事
スイスのスタートアップ、電動飛行機の実用化を目指す
このコンテンツが公開されたのは、
電気だけで駆動し、垂直に離発着する小さな飛行機。この近未来SFのような話が、近い将来に実現しそうだ。昨年、ベルトラン・ピカール氏と共に太陽光エネルギーだけを動力にした飛行機、ソーラー・インパルスで世界一周飛行を達成したアンドレ・ボルシュベルク氏は、電動飛行機の実用化の一翼を担っている。現在、電気飛行機で航空業界を変えようと望む企業は世界中にあるが、彼のスタートアップもその一つだ。スイスインフォの取材に対し、「航空業界は今、転換期にあると確信している」と語った。
電動飛行機「ソーラー・インパルス2」で世界一周飛行を達成して9カ月。ボルシュベルク氏は今、新しいミッションに挑戦している。
このスイス人パイロットは、5人の航空機専門家とともにスタートアップH55社(前身はHanger 55)を立ち上げ、クリーンな航空機(囲み記事参照)の未来に賭けて、現在ヴァレー州ローヌ谷のシオン空港で電動飛行機のテスト飛行を行っている。
もっと読む スイスのスタートアップ、電動飛行機の実用化を目指す
おすすめの記事
ソーラー・インパルス2 ついに世界一周飛行達成
このコンテンツが公開されたのは、
スイスの電動飛行機ソーラー・インパルス2がついに世界一周飛行を成し遂げた。太陽光エネルギーのみを燃料とする飛行機では世界初。飛行した距離は4万キロを超えた。
48時間にわたる飛行の末、ソーラー・インパルス2は26日早朝4時(現地時間)、アラブ首長国連邦アブダビに到着した。下のビデオでは、到着までの最後の数時間を追ったようすが映し出されている。
もっと読む ソーラー・インパルス2 ついに世界一周飛行達成
おすすめの記事
ソーラー・インパルス2の世界一周飛行完了 今だから聞ける感動や危機のとき、そして挑戦の哲学
このコンテンツが公開されたのは、
白色の光の直線が夜の闇をゆらりゆらりと揺れながら2016年7月26日、アブダビ空港に近づき、止まった。それは、太陽電池飛行機「ソーラー・インパルス2」が危機を何度も乗り越え、世界一周飛行を終えた瞬間だった。それはまた、企画者であり操縦士でもあるベルトラン・ピカールさんとアンドレ・ボルシュベルクさんという2人の、壮大な挑戦が幕を閉じた瞬間でもあった。飛行完了から3カ月たった今だから聞ける冒険の感動や危機、挑戦の哲学を2人に聞いた。
もっと読む ソーラー・インパルス2の世界一周飛行完了 今だから聞ける感動や危機のとき、そして挑戦の哲学
おすすめの記事
ソーラー・インパルス 今後クリーンテクノロジーを世界で推進、ドローン製作も視野に
このコンテンツが公開されたのは、
今年7月、太陽電池飛行機「ソーラー・インパルス2」が世界一周飛行を完了し、120時間ノンストップ飛行が太陽光エネルギーだけで可能だと証明した。独占インタビュー第2弾では、ベルトラン・ピカールさんとアンドレ・ボルシュベルクさんという2人の企画者・操縦士に、クリーンテクノロジーが世界にどう伝わったのか?今後のクリーンテクノロジー推進プロジェクトとは何か?などを聞いた。
もっと読む ソーラー・インパルス 今後クリーンテクノロジーを世界で推進、ドローン製作も視野に
おすすめの記事
ソーラー・インパルス2、「うれしい驚き」になった名古屋着陸
このコンテンツが公開されたのは、
電動飛行機ソーラー・インパルス2が、名古屋に着陸してはや10日。高い関心を呼び、多くの人々が県営名古屋空港を訪れた。ソーラー・インパルスチームの1人、エルケ・ノイマンさんに、名古屋での様子を聞いた。
もっと読む ソーラー・インパルス2、「うれしい驚き」になった名古屋着陸
swissinfo.chの記者との意見交換は、こちらからアクセスしてください。
他のトピックを議論したい、あるいは記事の誤記に関しては、japanese@swissinfo.ch までご連絡ください。