地下深部から探る地球外生命の可能性
生命はどのように発生したのか?地球以外の惑星にも存在するのだろうか?若き研究者、カーラ・マグニャボスコ氏はその答えを探し求めている。
だが探索するのは他の惑星ではない。地球の地下深部だ。スイスアルプスのトンネル内部で、同氏は地下の環境に適応した種々の微生物を発見した。その中には、同じ場所で何万年も生息しているものもいる。
米インディアナ州の高校時代に微生物学に魅せられたマグニャボスコ氏は現在、連邦工科大学チューリヒ校(ETHZ)地球生物学の助教だ。そこで、生命維持に必要な深さや圧力、温度などの基本的条件と限界について研究している。
同氏は今秋にETHZが開設する「生命起源普及センター(COPL)」の研究活動にも携わる。チューリヒ拠点のCOPLは化学、生物、地球科学、宇宙物理など、幅広い異分野を融合する学際的な研究センターで、スイスのノーベル賞受賞者ディディエ・ケロー氏が所長を務める。
他の惑星で生物が見つかるとしたら、それは複雑なものではなく、むしろ微生物に近いものだろうとマグニャボスコ氏は推測する。少なくとも我々の太陽系のほとんどの惑星表面では生命体は存在し得ないことが分かっている。また地球に関しては、陸地表面や海洋よりも地下に、より多くの微生物が生息することが知られている。
英語からの翻訳:佐藤寛子
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