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地球温暖化現象 融け続けるスイス氷河 

モルテラッチ氷河は数少ない、伸びた氷河。 Keystone

スイスの大部分の氷河が後退したとする2003年から2004年の観測結果を1月末にスイス科学アカデミーの専門家が発表した。

一方、フリブール大学の研究者は1970年来、アルプスに例年より16度も高い「暑い冬」が襲っているとの研究を発表。地球温暖化現象がアルプスの国にも顕著に現れてきているようだ。

 発表によると、スイスにある110の氷河のうち観測されたのは90。そのうち、75の氷河は長さが後退した。残りの7つの氷河は変わりなく、8つの氷河は少しだけ伸びたという観測結果だった。

最高で134メートル

 なかでも、最も後退が激しかったのはトリフト氷河で134メートル。数少ない伸びた氷河のうち、モルテラッチ氷河は10メートル伸びた。「スイスの氷河は100年前から融け始めた」と説明する同アカデミーのアンドレアス・バウダー氏。「今回の融解は2003年夏の猛暑と関係している」という。

 前年の気温が直接関係する氷河全体の総容積も測られた。ヴァレー州、グラウビュンデン州、ティチーノ州の氷河の観測ではヴァレー州とティチーノ州の氷河の総量が減ったことが分かった。同バウダー氏は「氷河融解と地球の温暖化の関係は明確」と語り、今後も氷河は融け続ける見通しだという。

アルプスに暑い冬

 一方、フリブール大学のマルタン・ベニストン教授は米雑誌「地球物理学研究レター」(Geophysical Research Letters)の1月号に、夏に8度から10度平年気温を上回る猛暑があると、冬にはアルプスでは昼間の温度が16.2℃も上がることがあることに注目した研究を発表。20世紀以来、特に1970年以降、より頻繁に冬に異常な高温を記録していることに警鐘を鳴らしている。猛暑と違ってこのような違いは注目されないが、積雪量が減り、水力電気や水資源に直接影響し、スキー場の経営問題など様々な場面で影響が出てくるという。


Swissinfo 外電 屋山明乃(ややまあけの)意訳

– スイス科学アカデミーの発表によるとスイスに110ある氷河のうち、75の氷河が後退した。

– フリブール大学の研究者によるとここ35年間でアルプスの気温が例年より16度上昇した冬もあった。

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SWI swissinfo.ch スイス公共放送協会の国際部

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