人間の代わりにロボットが家を建てる時代がすぐそこまで来ている。連邦工科大学チューリヒ校外部リンクの研究者らによるチームが、デジタル技術とロボットで家を建てる初のプロジェクトを進めている。(SRF、swissinfo.ch)
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チームは同校の建築家、ロボット技術や物質科学の研究者、3Dプリンターなどでモノを作るデジタルファブリケーションの専門家らで構成。建築技術のサステナビリティ―(持続可能性)の向上や工程の効率化をはかり、同時に建築物の創造性を高めるのがねらいだ。
建物のデザインから建築に至るあらゆる工程にデジタル技術とロボットが使われている。建物の枠組みは「Mesh Mould」と呼ばれる技法で、高さ2メートルのロボット「In situ Fabricator」が軌道上を動き、ワイヤーメッシュをつなげて作る。その後、コンクリートを流し込んで固める。
同プロジェクトは、連邦材料試験研究所と連邦水圏科学技術研究所のそばにある研究用の建設地で行われている。
建物は2018年までに完成する予定。スマートホームソリューションやあらゆるモノがネットにつながるIoTなど、最新のIT技術を取り入れた建物になるという。
(英語からの翻訳・宇田薫)
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技術の限界へ挑戦 世界一高いビルを設計した建築家カラトラバ氏
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スイス国籍を持つスペイン人の建築家、サンティアゴ・カラトラバ氏はチューリヒのオフィスで数々の建造物を生み出してきた。過去30年以上に渡り建築史に名を残してきたカラトラバ氏は、現在アラブ首長国連邦ドバイで新たな超高層展望タワーを手掛ける。
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日本人建築家が設計、オメガの新しい製造拠点が登場
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高級時計メーカー、オメガの新しい製造拠点がスイス西部にあるベルン州ビール(ビエンヌ)市にお目見えした。この近未来的な建物を設計したのは日本人建築家の坂茂(ばん・しげる)さんだ。
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「この仕事に失敗はつきものだということを学ばなければならなかった」
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スイス人建築家ピーター・ズントーがドイツの建築家連盟によって授与される2017年BDA大賞を受賞。彼は現在、新ロサンゼルス郡立美術館(LACMA)の設計を手掛ける傍ら、初めての高層ビルをベルギーで手がける計画を進めている。世界中で活躍するズントーが、建築への思いを語る。
BDA賞の審査員はズントーについてこう語る。「ズントー作品は建築を人類の『原初の創作物』に立ち戻らせる」。そして、「建築と雨露をしのぐことの元来の意味」を誰よりもよく知っている人は、ズントー以外にはいないと言う。彼ははまた2009年に、建築界で名誉あるプリツカー賞も受賞している。ズントーの品質へのこだわりと細部まで行き届いた神経が、「作品に時代を超越した正当性を与える」のだという。
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山上に石の花冠 マリオ・ボッタ氏の設計
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世界的に有名なスイスの建築家マリオ・ボッタ氏が設計した作品「Fiore di pietra(石の花)」がティチーノ州モンテ・ジェネローゾの山上に完成した。(SRF/swissinfo.ch)
今回の設計は、マリオ・ボッタ氏にとってある種の「帰郷」を意味した。ボッタはまさにこの建物が建てられた場所から見える山々 を眺めながら育ったからだ。
「石の花」のプロジェクト費用は2千万フラン(約22億円)。また、同プロジェクトの完成に必要な建築材料を山上に運ぶため、特別なケーブルカーを設置しなければならなかった。
ボッタ氏は日本でもよく知られた建築家。東京都渋谷区にもワタリウム美術館を建てている。
(英語からの翻訳・大野瑠衣子)
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ヘルツォーク&ド・ムーロン設計のコンサートホール、独ハンブルクでオープン
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建設が遅れていたコンサートホール「エルプフィルハーモニー・ハンブルク(Elbphilharmonie Hamburg)」がついに完成した。設計は世界的に有名なスイスの建築ユニット、ヘルツォーク&ド・ムーロンが手掛けた。
同コンサートホールの完成を祝して11日、エルプフィルハーモニー管弦楽団によるオープニングコンサートが開かれた。来賓にはメルケル独首相をはじめとする政治家らが顔をそろえた。また、ファサードには「FERTIG(完成)」の文字が大きくライトアップされた。
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ヘルツォーク&ド・ムーロン設計 テート・モダン新館オープン
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スイス人の建築家ユニット、ヘルツォーク&ド・ムーロンが設計した、ロンドンの現代美術館テート・モダンの新館が今月、オープンした。普段あまりメディアに登場しないヘルツォーク氏とド・ムーロン氏がスイス公共放送のインタビューに応じ、自らの仕事について語った。(SRF/RTS, swissinfo.ch)
テート・モダンは2000年、ヘルツォーク&ド・ムーロン建築事務所がロンドンの旧バンクサイド発電所を改築して誕生した。15年には約4700万人の来館者数を記録し、世界の現代芸術美術館の中でも大変人気の高い美術館となっている。
本館同様、新館もヘルツォーク&ド・ムーロンが設計を担当。16年6月には、新館のオープン記念式典が行われた。
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約900ページ・重さ6キロ ピーター・ズントー作品集の舞台裏
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スイス人建築家ピーター・ズントー氏は世界中で高い評価を受けているが、作品数は多くない。今年出版された作品集に寄せた文章の中で、本人は「建築家として、私は作家である」と自分を評している。モットーは、緻密さと芸術性だ。
「設計するときには、建物の内から外へ、外から内へ、そしてもう一度内から外へ向かって、全てが完璧になるまで考える」。作品集の前書きでズントー氏はそう説明する。
作品集には英語版もあり、約30年にわたるキャリアを詳しくたどる。有名な作品や、実際には建てられなかった作品を含む43点のプロジェクトを、写真や設計図、スケッチ、水彩画で紹介。建築界で名誉あるプリツカー賞を受賞したズントー氏本人が執筆した文章が添えられている。
編集を行ったトーマス・デュリシュ氏は、掲載するプロジェクトや資料をズントー氏と協力して選んだ。デュリシュ氏は、オーストリアのブレゲンツ美術館やヴァルスのスパなどのプロジェクトに参加し、ズントー氏とは20年来の知己だ。現在は自分の建築事務所を構えている。
「普通なら、自伝的な作品集は自分で作りたいと思うものだ」とデュリシュ氏は話す。「『ズントー氏とのコラボレーションはどういう感じなのか?彼のような働き方をする人が、自分の作品集の編集作業を本当に第三者に任せるのか?』と友人たちにも聞かれた」
「作品集では、私の存在を感じさせずに作品を提示したかった。これは異例のことで、通常は編者が解説したり分類したり順序立てて並べたりするものだ。私は、本人と作品に寄り添うアプローチを取ろうと思った」
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