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木製の切手の発行

切手によって木目がそれぞれ異なる。 Keystone

9月7日、スイス郵便は木製の切手を発行する。スイスの木を使って作られた切手を発行することでスイス郵便は、資源の少ないスイスにとって森林や木材の意味を訴えるという。

すでに発行されているスイスの切手で、素材で珍しいものとしては、繊維産業の盛んなザンクト・ガレンのレースでできた切手がある。また、チョコレートの香りのする切手も発行されている。

スイス郵便が木製の切手を発行することにした背景には、スイス産の木材の需要が大幅に落ちたことにある。スイスは森を健康を保つために、伐採されれば新しく木が植えられる。スイスでは年間1,000万立方�bの容量の木が、伐採に適するまで十分に成長する。しかし、実際に伐採されるのは450万立方�bのみ。そのうち産業用に活用されるのは3分の2に留まり、スイスの国土の3割を占める森林が十分に利用されていない。伐採されない森は「世代交代」も行われず、森は朽ちてゆくという自然への影響も否めない。また、経済面でもスイス木材はコストが高いため国際競争力が下がり、今後の価格も安くなる。木材関連の仕事に従事する人は全国でおよそ9万4,000人だが、すでに現在、失業の危機にさらされているという。

木材の重要性をアピールするスイス郵便

 資源の少ないスイスに豊富にある木材をアピールしたい。スイス郵便が切手を通して、スイス産の木に注目してもらうことが、木製切手の発行の目的だ。切手に使われるのはアールガウ州に育った樹齢120年のエゾマツで、直径70 cmから80 cmの太さ。

 スイス郵便のパスカル・ロレンツィーニ広報担当は「今後、太陽光線で変色したり変形したりする可能性があるが、すでに120年生き延びた木で作っているのだから、簡単には消え去らない切手となろう」と語る。「木製切手のような、ユニークな商品を提供し、スイス郵便のイメージアップにもなれば」と言う。

ユニークなスイス切手

 木製の切手は素材にこだわったものだが、この他ユニークな切手としてチョコレートの香りを発する切手、見る角度によって色や模様が替わる技術が施されたホログラムが施された切手、ザンクト・ガレンのレースの切手がある。

 木製切手のスイスでの発行は初めてだが、フランス航空50周年記念に伴って、アフリカのフランス領ジブチで1983年に発行された木製切手に継ぎ、世界では2番目となる。

スイス国際放送 ピエールフランソワ・ベッソン (佐藤夕美 (さとうゆうみ)意訳)

国土3割強が森林で覆われており、ヨーロッパでもその率は最高。
年間1,000万立方�bが伐採可能になる。
このうち、750万立方�bの木材が毎年産業向けに生産が可能だが、このうち実際に利用されるのは300万立方�bのみ。

切手発行 9月7日
予約
Briefmarken und Philatelie Stempeldienst
Ostermundigenstrasse 91
CH-3030 Bern

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