環境にやさしい行動をあなたも
「合理的に自然資源を使うことは、財布にも、環境にも良い」という結論を連邦環境局 (OFEV/ BAFU) が発表。
いくつかの鍵となる決断をすることで、スイス人1人当たりで、1年に1700フラン ( 約16万円 ) 節約できる上、25%の環境改善もできるという。
「スイス人に『消費を減らせ』と言うのではない。むしろ個人と資源を大切にするような新しい行動を身につけて欲しい。そうすることが、実は生活向上への欲求を満たすことにつながる」以上が環境局の副局長、ジェラール・ポッフェ氏が調査レポートの前書きにうたった言葉である。
遠くなく、広くない住まい
「環境を大切にする消費の仕方:決断、鍵、消費モデル」と題されたレポートは、環境にとって重要な次の4つの分野について検討している。すなわち住居、個人の移動、消費物とサービス、食品。
まずは住居。環境の観点から、一番重要な住居の要素は、移動距離と広さ。住まいが、通勤、通学、買い物などに不便な、遠い場所だと、移動量も当然増える。それがさらに車で移動するとなると、公害の量はぐんと増える。
住まいの広さも、広ければ広いほど、環境にとっては問題になる。外部との断熱、暖房の種類も大切な要素になる。 個人の移動に関して。まず、遠くに、頻繁に移動すればするほど、公害量を増やすのは当然で、交通手段 ( 車か電車か )を選ぶのは、二の次。バカンス先の選択も、各個人の「環境破壊量」からみると大切になってくる。シカゴまで飛ぶのと、スイス国内でバカンスを過ごすのとでは、大きな違いがある。
ところで、レポートは、「公害を出したくないなら、ヨーロッパ内の移動には、飛行機を一切使用しない」ことを推薦している。
エコロジーの「お勧め」
次に消費物とサービス。これらは、使用過程ではなく、生産過程が問題。だから、エコロジーに敏感な消費者は、生産方法に注意し、リサイクル可能な自然資源から作られる物をなるべく買うこと。その際、リサイクルを表示するいろいろな種類のラベルに注意することも大切。
生産地と消費地の距離、生産過程や製品保存に使われる機械、それらの機械が消費するエネルギー量なども環境には大切な要素。
以上の要素は、当然食品分野にも関係する。環境にやさしい方法で生産された食品を選ぶ。穀類、野菜、乳製品を食べ、肉類をなるべく食べないようにすることも、「環境破壊量」の観点から見ると、とても大切。
環境局はこうした「お勧め」を総合し、消費者の考え方の手助けができるようにと、以下4つの分野に分け、インターネット上のサイトを提示している。
swissinfo、外電 里信邦子 ( さとのぶ くにこ )
「アクティブ ( active ) 」な公害と「パッシブ ( passive ) 」な公害製品は次のようなサイクルからなる:生産、購買、使用、廃棄。そして、各々の過程で、多かれ少なかれ環境に影響を与えている。従って、住居、移動の分野では、家に住むこと、飛行機や車に乗ること (使用過程) は、それらを生産ないしは廃棄する過程より公害の量が多い。( 生産、廃棄過程でもかなりの公害を出すが )同様に、乾燥機、冷蔵庫などは、使用過程のほうが生産過程より公害量が多く、これらをアクティブな消費物という。これに対し、パッシブといわれる消費物 ( 例えば家具など ) は、使用過程で公害をほとんど出さないが、生産過程、廃棄過程で公害を多く出す。食品も同様に、パッシブな消費物である。環境を大切にする消費者は、生産過程や廃棄過程を検討して、買う物を選んだほうがいいだろう。
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