スイスでも英国でも、教会に足を運ぶ信者が減り続けている。この流れを食い止めようと、両国のプロテスタント教会の指導者らが知恵を絞り合っている。(SRF/swissinfo.ch)
このコンテンツが公開されたのは、
今から約500年前、スイスは宗教改革運動の中心地だった。それが今では登録されているプロテスタントの信者は約180万人にまで減少。これは人口の26.9%に当たり、過去最少の数字だ。教会の脱会者も過去15年間で2倍に増えている。
スイスのキリスト教信者は地元の教会に税金を支払う義務があるが、正式に教会を脱会すればこの税金を免除されるため、脱会者の増加で教会の収入にも大きな影響が出ている。経費削減を迫られた結果、古い教会の建物を売りに出すプロテスタント教会も出ているほか、施設をカトリック教会と共有するという案も検討されている。
一方で、教会を信者のニーズに合わせることで信者を取り戻す試みも行われている。26教会から成るスイス・プロテスタント教会連合の視察団は英国を訪れ、信者の教会離れを防ぐために英国の牧師らはどのような工夫をしているのかを探った。その一つに、教会をコミュニティーセンターのような場に変え、信者が集まりコーヒーを飲んだり劇を鑑賞したりできるようにするというアイデアがある。
続きを読む
おすすめの記事
アインジーデルンの黒いマリア像、2週間ごとに衣装替え
このコンテンツが公開されたのは、
「黒いマリア像」が安置されることで有名なアインジーデルン修道院は、スイスで最も訪問者の多い教会の一つだ。美しく着飾られたこの黒いマリア像(英語ではブラックマドンナと呼ばれる)は実は、ポップスターのマドンナも顔負けするほどの豪華な衣装の持ち主だ。(SRF/swissinfo.ch)
もっと読む アインジーデルンの黒いマリア像、2週間ごとに衣装替え
おすすめの記事
スイスの神父 同性婚を祝福したことを告白
このコンテンツが公開されたのは、
同性カップルに対し公式な結婚は認めてはいないが、パートナーシップ証明は行っているスイスで昨年、レズビアンカップルを祝福したある神父が司祭職からとがめられた。結婚は男女間の結びつきとするカトリック教会だが、同性婚への支持を表明する神父が増えている。(SRF/swissinfo.ch)
教会のルールに厳密に従うべきか、それとも同性カップルを祝福すべきか。こうしたジレンマに悩む神父は近年多くなっており、中にはどの信者も教会から祝福を受ける権利があると考える神父もでてきている。
ゲオルク・シュムッキさんは同性婚を支持する神父の一人。これまで数組の同性カップルを祝福してきた。最初の1組目は内密に行ったが、次第に教会内で祝福するようになった。しかし、このことを聞きつけたザンクト・ガレン司教のマルクス・ビュッヒェルさんは、教会のルールに反しているとシュムッキさんをとがめた。今のところそれ以降の処分は行われていない。
ビュッヒェルさんは、同性カップルが役所で式を挙げることに問題はないとする一方、カトリック教会がこうしたカップルを祝福することに反対している(スイスで結婚する場合、カップルは役所で公式に結婚を認めてもらわなければならない。キリスト教信者はそれに加え、教会で式を挙げ、教会からも結婚を認めてもらう)。
ビュッヒェルさんはまた、同性カップルを祝福すれば、結婚は男女の結びつきとする教会の考えに反すると主張する。
レズビアンカップルのブリギッテ・レースリさんとマヌエラ・ウールマンさんは近年、教会で式を挙げた。敬虔なキリスト教信者だった二人は、教会で愛を誓いあうことが大事だと考えていたからだ。挙式には大勢の人が駆けつけたが、中には「神への冒涜だ」と出席を拒む人もいた。
もっと読む スイスの神父 同性婚を祝福したことを告白
swissinfo.chの記者との意見交換は、こちらからアクセスしてください。
他のトピックを議論したい、あるいは記事の誤記に関しては、japanese@swissinfo.ch までご連絡ください。