ジュネーブ州では、数年前にスイス国内で禁止されたはずの農薬で、アカトビが中毒になる事例が相次いでいる。そのような中スイスは、野鳥の保護に懸命に取り組んでいる。(RTS/swissinfo.ch)
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カルボフランは、トウモロコシ、カブ、タマネギ、マッシュルームなどを寄生虫から守るための化学農薬だ。スイスでは2011年に使用禁止が決定され、農家は13年までに使用を中止するよう言い渡されていた。
だが今年になって、ジュネーブ州の自治体ジャントにある野鳥のリハビリセンターに、カルボフラン中毒のアカトビが数羽運ばれてきた。この状況から、同センターの職員は、近辺農家がまだこの農薬を不法に使用し続けていると考えている。
スイスは過去数十年にわたりアカトビの保護に努めており、その成果も見え始めていた。アカトビが欧州各国で減少する一方で、スイスではその数が増え始めていたのだ。スイスで3番目に大きな鳥の種類に数えられるアカトビは、欧州連合(EU)のガイドラインなどで保護の対象になっている。
アカトビは、農薬中毒以外にも、風力発電機、電力線、狩猟などによる危機にさらされ、また生息地を失ったり、観光客やハイキング客によって巣を作る場所が荒らされたりするなどして絶滅の危機にさらされている。
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今年で25度目の開催となる「バードレース」。寄付金の募集を兼ねたこの大会では、バードウォッチャーや愛鳥家で構成された参加チームが、24時間以内にどれだけ多くの種類の鳥を観察したかを競う。
今年の優勝チームは134種類の鳥類を観察。これまでの最多記録137種類を破るには、あと一歩及ばなかった。
スリルと興奮に溢れたこのバードレースでは、約25チームがスイス全土を舞台に丸一日、様々な鳥を探し、観察し、種類を特定しながら、何十キロという道のりを進んでいく。甘く見てはならないのは、体力的な負担だ。レース参加者は移動手段として自身の筋力(徒歩もしくは自転車)と、公共交通機関のみが許可されている。
レースの前段階で、寄付金の募集が行われる。寄付者は観察された鳥1種類につき、一定の額をスイスの鳥類保護団体の統括組織「バード・ライフ」に寄付する。今回のバードレースで集まった寄付金は、ベルン州ゼーラント地方の湿原地帯での自然保護活動に充てられる。
(写真・Ruben Hollinger/13 Photo 文・Gaby Ochsenbein、swissinfo.ch)
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