オプヴァルデン、減税案可決
12月15日、オプヴァルデン州は州民投票で、「線形所得税 ( Flat Rate Tax )」 の導入を決めた。来年から実施される。これにより同州は、税率が国内最低の州となる。
投票率33.2%で、90.7%の賛成票を得て税制改革案は可決された。2005年12月には逆進課税導入案が可決されたが、連邦裁判所が憲法違反の判決を下したため、実現しなかった。
今回可決された線形所得税により、同州の所得にかかる税率は一本化され、所得額に関係なく均一1.8%となる。1万フラン ( 約100万円 ) までは、非課税。また、法人税はこれまでの6.6%から6%に引き下げられる。
税収減の見込み
2年前の州民投票では、年収30万フラン ( 約3000万円 ) 以上もしくは資産500万フラン ( 約5億円 ) 以上の場合、逆進課税を導入する案が可決されていた。しかし、連邦最高裁判所がこの税制は憲法違反であるとの判決を下したため、今回の投票となった。
線形所得税が導入されることによりオプヴァルデン州は、年間1230万フラン ( 約12億3000万円 ) の減収となる。しかし、スイス国内で最低の税率になる同州に、企業や個人が移転してくることを期待している。オプヴァルデン州の税制改革によりスイスでは、州間による税制引き下げ競争が激しさを増すと見られる。
同日ジュネーブでも税制率引き下げのイニシアチブが州民に問われた。イニシアチブは高額所得者に対し、12%の税削減案と高額資産者に対する一時的優遇措置を提案していたが、これらはいずれも否決された。
swissinfo、外電
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税制 ( Steuer/Contributions )
所得額に関係なく、税率を一本化した税制。西ヨーロッパ諸国ではオプヴァルデン州が唯一線形所得税を導入することになる。東ヨーロッパでは、リトアニア、ロシア、スロバキア、ウクライナ、セルビアが採用している。
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