スイス人銀行員、再び訴えられる
自国民の脱税捜査を続けるアメリカ司法当局は、再びスイス人の銀行マネージャーを告訴した。
アメリカ人顧客の脱税をほう助した疑いで訴えられたのは、チューリヒに本社を置く国際的な金融機関の幹部だった3人とマネージャー1人。
世代を超えて資産を隠す
米司法省が現地時間の7月21日に発表したところによると、この4人は勤務先の銀行を含むスイスの金融機関に秘密口座を設け、それを管理していた。
2008年秋の時点で、4人が勤める銀行には何千にも及ぶアメリカ人顧客の秘密口座があり、その管理資産総額は30億ドル(約2358億円)に上った。脱税ほう助の端緒は1953年までさかのぼり、2世代にわたって預金していた家族もあったという。
米司法省は、この疑惑の渦中にある金融機関の名前を明らかにしていない。ロイター通信社は、米政府代表から得た情報によるとこの金融機関はスイス第2の大手銀行クレディ・スイス(Credit Suisse)だと報道している。同通信社からの問い合わせに対し、クレディ・スイスは「これからも米司法当局と協力していく意向だ」と述べるにとどめた。
クレディ・スイスはすでに先週、米司法当局の捜査の対象になっていることを明らかにしている。アメリカ人に対する過去の「国境を越えた資産管理」がその理由だ。
2月に告訴
米司法当局は今年2月に、やはり脱税ほう助の疑いで別のスイス人銀行員4人を告訴した。現在クレディ・スイスにはその中の1人が勤務している。
クレディ・スイス側はこれまで常に、規則を守っていると強調してきた。今回の米司法当局の捜査は金融業界全体に及んでいるとみている。
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