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スイス社長 辞任

アンドレ・ドゼ経営最高責任者(右)が突然辞任。一時的に会長のピーター・バウ氏が兼任する。 Keystone Archive

スイスインターナショナルエアラインズのアンドレ・ドゼ経営最高責任者(CEO)が3月10日、辞任した。経営建て直しに携わったのは2年前のことだった。いまだに同社は厳しい状況にある。

ドゼ氏の辞任の理由は、2001年のクロスエア機の墜落事故の連邦当局の捜査に対応するためという。スイスエアから新しく生まれ変わった同社がいまだに経営難にあることから、常に同社長の責任が問われてきたことも事実。
ピーター・バウ会長が後任の任命まで社長を兼任する。

スイスのナショナルキャリアであるスイスインターナショナルエアラインズ(以下スイス)の最高経営責任者アンドレ・ドゼ氏が11日午後、辞任を発表した。辞任の理由は、2001年11月25日の墜落事故の責任を取るためと発表された。
墜落事故では24人が死亡。墜落したクロスエアのジュンボリーノ機パイロットの操作ミスが原因だったとの疑いがあり、現在調査が進んでいる。クロスエアの当時の責任者はアンドレ・ドゼ氏で、調査に応じるため大幅に時間が制限され、スイスの経営に携わるのは「不可能になった」という。「辞任が決まった日のことは言えないが、今週は飛ぶように時間が過ぎて行った」と辞任への詳しい経緯を語ることは避けた。

事故の捜査と社長の責任

 先週は連邦検察が事故の調査に乗り出し、当時の社長ドゼ氏も業務上過失致死の疑いで捜査の対象になるのではないかと見られていた。ドゼ氏は辞任の記者会見で、「検察からの連絡はないし、容疑があるとすれば、徹底的に反論するつもりだ」と語った。

 一方、連邦検察は2月、ジュンボリーノ機の墜落は、パイロットの過労が原因と結論付けた。さらに、パイロットの過労については、クロスエアの管理がずさんだったためとしている。

辞任に対する反響

 航空業界の専門家であるセップ・モーザー氏によれば、業績発表前のドゼ氏の辞任はタイミングが悪い。しかし「事故の責任問題のほかに、スイスの組織面および財政面での問題に対する責任も彼にはある」と指摘した。ハンス・ルドルフ・メルツ財務大臣は「辞任はドゼ氏の責任感の強さによるもの」と語った。

 11日付けのスイスの各紙のコメントは次の通り。「事故の捜査でスイスのイメージが下がることがないように、辞任は必要だった」(デル・ブント)と辞任は仕方ないことと受け止めるメディアもあれば、「短絡的。スイスの危機は引き続きある。」(ノイエ・チュリヒャー・ツァイトゥング)と辞任しても、現在抱えるスイスの財政問題が解決するわけではないことを指摘する新聞もある。

日本からの反応

 日本・韓国地区支社長の岡部昇氏は、「航空業界では経験豊かなピーター・ボウ会長のお眼鏡にかなった人なら、信用できる」と後任者に期待を寄せている。「アジア地域では最高の実績を上げている日本市場には本社も期待しており、新しくエアバスA340機を導入し、力を入れている」と語った。

スイス国際放送 佐藤夕美 (さとうゆうみ)

スイスが銀行に融資5億フランを求めているが現在のところ確約されていない。

2003年には赤字額が9億8,000万フラン(約833億円)から6億8,700万フラン(約584億円)に縮小される。

− 2001年11月25日クロスエアの墜落事故が起こる。
−当時アンドレ・ドゼ氏はクロスエアの社長。
−パイロットの過労による機体操作ミスと見られる。
−社の職員の労働管理が問われる模様。
−ドゼ氏の責任が問われる可能性も高い。

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