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スイス航空 引き続き赤字

黒字に着陸するのはいつか。赤字続きのスイス航空. Swiss

スイスインターナショナルエアラインズ(以下スイス)は第3四半期も2億6千7百万フランの赤字を出し、これまでの赤字総額は6億千3百万フランとなった。前年同期は5億8千2百万フランで、赤字額は増加している。                                          

同社経営陣は、赤字はリストラに掛かったコストだと説明している。

第3四半期の乗客は292万人で、売上は8億5千6百万フラン(およそ68億円)だった。営業赤字は6千2百万フラン(5億円)で、1月から9月までの赤字は4億8百万フラン(38億円)となった。赤字を計上したの理由として、スイスは、リストラに掛かったコストと、格安チケットの利益が予想を下回ったことを挙げている。格安チケットはヨーロッパ便に限ったもので、スイスにとっては、新しい市場として期待がかけられていた。格安チケットにより、乗客数は確かに増加したものの1席あたりの収益は、前期比で16%減少した。

 第3四半期の赤字額2億6千7百万フラン(214億円)のうち、2億5百万フラン(2百億円)はリストラのコストという。ちなみに、第2四半期の赤字額は1億3千3百万フラン(百6億円)、第1四半期は2億フラン(百6十億円)となっている。スイスは1日平均して220万フラン(1億8千万)の赤字を出しながら飛行機を飛ばしている計算となる。 リストラ計画では人員と機体を3分の1削減したが、いまだに赤字経営から逃れられないでいる。

求められる融資

 業績の好転が見られない中、銀行からの融資も困難になっている。最高経営責任者のアンドレ・ドゼ会長は9月の記者会見で、「近日には融資されるであろう」と語っていたが、いまだに融資はない。スイスの経営に対する不信が根強いことを物語っている。スイスの見通しによれば、来年は赤字を解消し、2年後には利益を計上するというが、自己資本は9月末時点の自己資本は10億8百4十万フラン。総資本に対する自己資本率は25.7%となる。

 スイス政府による融資の保証が期待されるところであるが、今回の業績発表において、ドゼ会長は融資の詳細についてはコメントを避けた。スイス国内外の大手銀行との交渉は進んでおり、融資額などについては、交渉が成立した後に公表するという。

                                                                                  

情報漏洩で、株価すでに下落

 公式発表前の日曜日、業績はドイツ語圏の日曜版新聞「ゾンタークツァイトゥング」にリークされた。これを受け、翌日のスイス証券取引所でスイス株は一時20%下落し、終値は10.9%安となった。今年は業績が発表になるごとに株価は下がり、年初からスイス株は40%安となっている。

スイス国際放送 ヤコブ・グレーバー 意訳 佐藤夕美(さとうゆうみ)                                                                                                                                                                                                                                                       

人員削減計画で今後3千人(うち管理職300人)のリストラの予定。
ほとんどの従業員が既に、解雇通達を受け取っているという。                                                     

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