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スマトラ沖地震 スイスの支援状況

ボランティアが「幸福の鎖」運動のため、電話で募金を募る。 Keystone

スマトラ沖地震による津波被害にあったスイス人死亡者数は23人となったが、いまだにおよそ280人のスイス人が行方不明だ。5日には欧州各地で同時に犠牲者を悼んで3分間の黙祷が行われた。

さらに5日には犠牲者を追悼する日として全国的に行事が行われ、スイス放送協会が指揮する「幸福の鎖」運動が民間支援を募り、過去最高の1億1,400万フラン(約100億円)が集り、政府や企業の支援金額を大幅に上回る結果となった。

 15万人にも及ぶスマトラ沖地震、津波災害犠牲者を悼む追悼礼拝が5日、ベルン聖堂で行われ、1200人以上が参加。2005年から大統領に就任したサミュエル・シュミット大統領も犠牲者に対し、哀悼の意を表明した。

スイス政府の被災地支援

 スイスは津波災害の起こった12月26日当日に即座、緊急支援として100万スイスフラン(約9千万円)の拠出を発表した。その後、財政支援額を2,700万フラン(約24億円)に増額した。この支援金の60%はスイスと被災地の2国間支援の形で使用され、残りの40%は国連や国際赤十字委員会のプロジェクトを支援する形で使用されると、現地調査から帰国したカルミ・レ外相が発表している。

民間寄付が過去にない巨額

 5日に大々的にスイス放送協会が指揮して行われた「幸福の鎖」運動で歴史的な募金額が集まったことに対して、「幸福の鎖」の広報官は「まさか、このような額が集まるとは想像だにしなかった。素晴らしい連帯感の現れだ」と感激をあらわにした。集まった募金はその後、各人道支援団体に分配される。

 阪神大震災の時に救助犬を出して、日本でお馴染みのスイス人道援助隊のトニー・フリッシュ氏は「このお金は緊急援助だけでなく、復興に必要な中長期的な援助に繋がる」とスリランカから感想を述べた。

スイス企業も

 多くのスイスの大企業も被災地の復興支援金を拠出することを表明している。最も拠出額が多いのは大手銀行のUBSが344万フラン(約3億円)で続いて大手セメント会社ホルシムが300万フラン(約2億6,700万円)、スイス最大の時計メーカスウォッチ・グループが250万フラン(約2億2千万円)、チューリヒ保険が229万フラン(約2億円)や大手製薬会社ノバルティスが229万フラン(約2億円)とそれぞれが発表している。

 スイスインターナショナルエアラインズなどは26日以降、ネットで予約した飛行券一人当たりにつき10フランを支援金として寄付するなどと工夫しているところもある。


Swissinfo   まとめ 屋山明乃(ややまあけの)


注) 10日付、スイス外務省の発表により行方不明者数を280人に訂正。

– スマトラ沖地震、津波災害によるスイス人被害者数は死亡確認が23人、行方不明が280人(10日付け外務省の発表により、400人から280人に訂正)と被災地域以外の外国としてはスウェーデン、ドイツなどに続く最も被災者の多い国の一つとなった。

– スイスの民間支援は5日に行われた「幸福の鎖」運動などから過去最高額の1億1,400万フラン(約100億円)達した。

– スイス政府は被災地支援のために2,700万フラン(約24億円)を拠出することを発表した。

– スイス企業は合わせて2千万フラン(約17億8千万円)を被災地の復興金として支援することを表明している。

– 企業の拠出金はUBSが344万フラン、ホルシムが300万フラン、スウォッチ・グループが250万フラン、チューリヒ保険が229万フラン、ノバルティスが229万フランなど。

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