児童小説の定番、ヨハンナ・シュピリ作「ハイジ」の初版から既に135年経った今、スイスの観光業界はまたハイジを題材にしたビジネスを計画している。(SRF/swissinfo.ch)
このコンテンツが公開されたのは、
2015年にリメイクされた映画「ハイジ」は、この物語に新たな息吹をもたらした。スイスでは50万人が映画館を訪れ、世界50カ国以上がこの映画の上映権を取得した。
今、ザンクト・ガレン州の山岳でハイジという題材が再び息を吹き返している。新しく「ハイジ体験村(Heidi Experience)」をオープンする計画がフルムゼルベルク(フラムザーベルク)のスキー場で進められているのだ。
総額1億フラン(約112億円)を投資し、ホテル2棟、スキーのゴンドラ、そして「ハイジ体験村」が建てられる予定だ。本物の動物や役者を起用して19世紀に描かれた物語の世界を再現するという。
その「ハイジ体験村」のロケーションに選ばれたのは、ヴァーレン湖の上方にあるタンネンボーデンという村だ。年間30万人の観光客を動員できると観光業界は期待している。
問題は、そこから30キロ離れたマイエンフェルトの上方に既に「ハイジの村」が存在することだ。小説の舞台となった小さな「デルフリ村」には、19世紀の家屋やヤギ小屋、店やヨハンナ・シュピリ博物館がある。
毎年世界中から数多く訪れる観光客にとって、こちらが正真正銘の「オリジナル」であるため、客をフルムゼルベルクに横取りされる心配はないと地元の関係者は言う。
続きを読む
おすすめの記事
映画界を魅了し続ける物語「ハイジ」
このコンテンツが公開されたのは、
底抜けに元気がよくて明るい、スイスの象徴ともいうべき「ハイジ」。そのハイジが間もなくスイス・ドイツの合作映画としてスクリーンに戻ってくる。白黒の無声映画からアニメに至るまで、これまでに何度となく映画化されてきたハイジの物語。だが、今再び新しい作品が制作される理由は何だろう?
もっと読む 映画界を魅了し続ける物語「ハイジ」
おすすめの記事
ハイジの舞台を再訪した小田部羊一氏、キャラクターが生まれた背景を語る
このコンテンツが公開されたのは、
アニメ「アルプスの少女ハイジ」の制作では、42年前、アニメで初の海外ロケが行われている。当時、高畑勲氏(演出・監督)、宮崎駿氏(場面設定・画面構成)、中島順三氏(担当プロデューサー)とともにスイスを訪れたキャラクターデザイナー・作画監督の小田部羊一氏。再びハイジのふるさとを訪れた同氏に、当時のロケの様子や制作の裏側、「ハイジ」の成功の理由などについて話を聞いた。
もっと読む ハイジの舞台を再訪した小田部羊一氏、キャラクターが生まれた背景を語る
おすすめの記事
スイス人研究者の日本講演 「日本人のハイジへの愛に感動」
このコンテンツが公開されたのは、
雄大なアルプスを舞台に繰り広げられる一人の少女の物語「ハイジ」。このスイスの神話に初めて多角的に光を当て、学術的な本を執筆したスイス人研究者ジャン・ミシェル・ヴィスメール氏は、3月に日本へ招かれてハイジをテーマとする国際シンポジウムで講演を終えた。そして日本人のハイジへの愛や真摯な探究心に心を打たれたと語る。
もっと読む スイス人研究者の日本講演 「日本人のハイジへの愛に感動」
おすすめの記事
聖域を侵したアニメ「アルプスの少女ハイジ」
このコンテンツが公開されたのは、
ハイジが生まれたスイスのドイツ語圏は、「日本のハイジ」を一体どのような目で見ているのだろうか。 知識人の拒否反応 「わたしの記憶が正しければ、『アルプスの少女ハイジ』がヨーロッパでも大人気となった当時、スイスの文化人は…
もっと読む 聖域を侵したアニメ「アルプスの少女ハイジ」
おすすめの記事
新ハイジ・パーク計画
このコンテンツが公開されたのは、
約5億円を投資し、地方文化の振興と観光促進を目的とする。内外から年間5万人が訪れる見込みという。 村興し 「われわれの地方は、素晴らしい可能性を含んでいる。ハイジは世界的に有名。いつの時代でも人の心を打つ。ハイジの物語…
もっと読む 新ハイジ・パーク計画
おすすめの記事
『アルプスの少女ハイジ』がミュージカルに
このコンテンツが公開されたのは、
『ハイジ』がミュージカルになるのは世界で初めて。原作は子供向けだが、ミュージカルは大人向けに作られている。原作者で19世紀の女流作家、ヨハナ・シュピリが直接語る設定の『ハイジ・ダス・ミュージカル』は、脚本、音楽とも英国人…
もっと読む 『アルプスの少女ハイジ』がミュージカルに
swissinfo.chの記者との意見交換は、こちらからアクセスしてください。
他のトピックを議論したい、あるいは記事の誤記に関しては、japanese@swissinfo.ch までご連絡ください。