スイス連邦工科大学ローザンヌ校(EPFL)で教育にイノベーションを起こすための学習科学研究センターLEARN外部リンクが設立された。教育関連サービスや研究、起業プログラムの拠点とする。
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「デジタル技術で著しい進歩を保つには、何を教えるかだけでなくどう教えるかも日々磨いていく必要がある」。EPFLのピエール・ヴァンダゲーンス副教育長はこう話す。研究所の目標は新しい指導方法をテストし、学内や社会で実際に使えるレベルに引き上げることだ。
ロボット先生
センター長を務めるのは、EPFLロボティクス・システム研究所のフランチェスコ・モンダダ教授外部リンク。ロボット先生ティミオ(Thymio)外部リンクを動かすエンジニアだ。ティミオはプログラミングやロボティクス(ロボットの設計・製作・制御を行うロボット工学の基礎)の基礎に挑戦する子供たちを応援する。ティミオは主に学校が購入し、既に4万体以上販売された。モンダダ教授は「コンピューター流の考え方を学校の教育課程に盛り込むことは、子供たちにコンピューターでは出来ないことを教え、テクノロジーへの理解を深めることにつながる」と話す。
LEARNにはスイスのハイテク関連新興企業約70社が名を連ねるエド・テック・コライダー(Swiss EdTech Collider)外部リンクや、学生の「学習方法の学習」を支援するソフトを開発したデジタル教育センター外部リンクも参画する。教授らが専門分野における変化に対応するのを助けるのもLEARNの狙いの一つだ。モンダダ教授は、「コンピューターサイエンスとデジタルプロジェクト」と呼ばれる新しい科目を4~7歳の初等教育に設けるヴォー州の取り組みに向け、教師の研修プログラムを企画している。
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社交性たっぷり!ロボット「エリアス」
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エリアスは「ソーシャルロボット」。学校で子供たちに外国語を教える人工知能(AI)搭載の先生だ。フィンランド人の教師が開発したロボットソフトを元に制作された。生徒一人ひとりのニーズに応じ、外国語の会話習得をサポートする。他国に先駆け、フィンランドと中国で既に導入されている。
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ローザンヌのブルー・ブレイン・プロジェクトの研究者らは28日、マウスの脳の「細胞アトラス」を発表した。これは3D、かつインタラクティブで絶えず進化する脳細胞のシミュレーションだという。
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スイスの大学、世界ランキング上位10校に入らず
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スイス連邦工科大学チューリヒ校(ETHZ)は英タイムズ誌の世界大学ランキング2019年版で昨年より一つ順位を落として11位となり、上位10校から外れた。依然として欧州大陸ではトップの順位だが、順位低下は2年連続で、15年(13位)以来4年ぶりにトップ10からこぼれ落ちた。
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スイス連邦工科大学、1.5兆円の経済効果
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スイス連邦工科大学(ETH)は2016年、関係機関全体で10万人分の雇用を生み、130億フラン(約1.5兆円)の経済効果を生んだとする調査結果を、英国の経済コンサルティング会社ビガー・エコノミクスが出した。年間予算の4倍の利益を生んでいる計算だ。
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人間の仕事を奪うロボット 課税対象になるべきか?
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「死」と「税金」。これらの二つが、人間が免れることのできないものだとすれば、私たちの社会にますます浸透し、従来の人間の仕事を奪いつつあるロボットにも、人間と同じように税金が課されるべきだろうか?
「労働力としてのロボットにも課税する」。これがジュネーブ大学教授で税金専門の弁護士でもあるグザビエ・オベルソン氏の展開する議論だ。特に製造業やサービス産業で、今後もオートメーション化が進み、人間の仕事がますますロボットに奪われることによって、世界中で失業者が増え、労働者の払う税金や社会保険料の減収が予想されるからだという。
オベルソン氏は、ロボットが請け負う労働に課税することが、雇用喪失による税金や保険料の減収を相殺する一助になると考えており、ロボットを代表する「法人組織」を作ることでそれが可能になると考えている。「ロボット税の導入には世界的なアプローチが必要だ。
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隈研吾のスイス初の建築、オープン 木と石の屋根でヒューマンなものを創出
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世界のスター建築家、隈研吾のスイス初の建築「ArtLab」が11月4日、連邦工科大学ローザンヌ校のキャンパスにオープンした。250メートルの長い屋根の下に三つの異なる機能の「箱」が配置されたこの建物は、日本の木造平屋のような控えめなやわらかさと同時にシャープなデザイン性を持ち、どっしりとした屋根と長いひさしで人を温かく迎え入れてくれる。世界一流の建築家の作品が立ち並ぶスイスで「ここ20年の一つの最高作」と建築ジャーナリストたちが高く評価した。
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